第二種金融商品取引業とは

第二種金融商品取引業とは

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第二種金融商品取引業者の実例第二種金融商品取引業の規制第二種金融商品取引業の協会加入義務第二種少額電子募集取扱業務との関係第二種金融商品取引業者の業態第二種金融商品取引業のみで有価証券又はデリバティブ取引に投資するファンドが組成できるかその他出資対象事業に関する制限第二種金融商品取引業に関するよくある質問

第二種金融商品取引業者の実例

第二種金融商品取引業とは、基本的には、集団投資スキーム持分や信託受益権などの流動性の低い有価証券、すなわち株や社債等のメジャーな有価証券以外の金融商品取引法第2条第2項に定めるみなし有価証券を販売する業務です。

また、みなし有価証券ではない投資信託受益権等の一定の有価証券の自己募集(私募及び募集)、通貨関連市場デリバティブ取引に関しても、第二種金融商品取引業に位置付けられています。

その業務は、みなし有価証券に関しては、売買、媒介、募集又は私募(金融商品取引法第2条第2項第5号又は第6号に掲げる組合型ファンド(以下、本節では「ファンド」は集団投資スキームを指します)及び一定の政令指定みなし有価証券の自己募集)、募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱いなどがあります。

また、みなし有価証券以外には、委託者指図型投資信託の受益証券、外国投資信託受益証券、抵当証券、外国抵当証券及び及び一定の政令指定有価証券の募集又は私募(自己募集)、通貨関連市場デリバティブ取引等などがあり、細かく分類ができます。

しかし、実務上、登録されている第二種金融商品取引業者の業務内容は、ファンドの募集又は私募(自己募集)及び募集又は私募の取扱いと、不動産信託受益権の売買、媒介又は私募の取扱い業務が多いです。

第二種金融商品取引業の登録をすれば、船舶・航空機などのレバレッジドリースファンド、債権流動化ファンド、飲食店などの事業ファンド、映画等のコンテンツファンドなどの、いわゆる金融商品への投資を目的としないファンドを設立することが可能になります。

人数制限と業務範囲

第二種金融商品取引業登録をすると、みなし有価証券(ファンド含む。)について、募集人数の制限なく投資家を集めることができます。ただし、有価証券投資事業権利等に該当するみなし有価証券を500人以上に取得させる場合には、「募集」(いわゆる公募)に該当するため、契約締結前交付書面の事前届出が必要になります。

さらに、投資運用業を併せて登録してファンド運用業(15号業務)を行う場合、ファンドの運用に関して投資運用業者に投資一任契約(12号業務)する場合、ファンドの運用が適格機関投資家等特例業務で行われる場合(金融商品取引法63条)又は一定のプロ向けファンドの運用に係る金融商品取引業登録義務の除外要件に該当する場合(金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令第1項第13号又は金融商品取引法61条)には、主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利により運用するファンドを、第二種金融商品取引業で募集することができます。

なお、みなし有価証券の「募集」を行うにあたって、ファンドが有価証券投資事業権利等(運用財産の50%超を「有価証券」で運用する権利)に該当する場合、有価証券届出書の提出が必要になります。それゆえ開示コストの関係で、組合型の株式等有価証券投資ファンドは、権利者499人までの私募の範囲で発行される傾向があります。

また、集団投資スキームを含むみなし有価証券(2項有価証券)が、同時に電子記録移転権利(セキュリティートークン)に該当する場合、その募集又は私募の取扱い業務は、第二種金融商品取引業ではなく、例外的に第一種金融商品取引業に該当しますので、注意が必要です。

第二種金融商品取引業の規制

ファンドビジネスを行ううえでは、第二種金融商品取引業は非常に自由度が高い一方で、金融商品取引業者としての分別管理義務や書面交付義務、法定帳簿等のさまざまな規制は、法令及び協会規則に従い非常に厳格になっています。

第二種金融商品取引業者は、ファンド、すなわち有価証券たる集団投資スキームを販売し、場合によってはお客様のお金を預かる(資本金5000万円以上の会社は特定有価証券等管理行為として、顧客に口座を開設させることも可能。ただし電子申込型電子募集取扱業務の場合は信託保全義務あり)こともできるなど、「金融機関」としての重い責任を負っています。

さらに、平成27年5月29日からは、インターネット上でのファンド(貸付型等の金融商品取引法施行令第15条の4に掲げるものを除く)の募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い(募集要項の掲載等も含む)に関しては、電子募集取扱業務と位置づけられるようになりました。そのため、ネット上での自社発行ファンド以外の勧誘行為を行う際には、第二種金融商品取引業だけでなく電子募集取扱業務の登録も必要になっています。

そのうえ、電子募集取扱業務のうち、電子募集取扱業務であって、インターネット上で有価証券の購入の申込みが完結する業務(つまりファンド等のネット申し込みを受け付ける)である「電子申込型電子募集取扱業務」を行う者に対しては、発行者に対する審査、投資者への情報提供の確保、クーリングオフ、目標募集額の取扱いの明示等の追加的な義務が新設され、いわゆるクラウドファンディングへの規制が大幅に強化されています。

また、一般社団法人第二種金融商品取引業協会でも、事業型ファンドの場合、電子申込型電子募集取扱業務に該当する場合、それぞれにつき、審査やモニタリング等に関する自主規制規則が定められており、業務を実施する場合にはこれら規則を遵守して行う必要があります。

また、前述のようにソーシャルレンディング等の貸付型のファンドに関しては、「当該権利を有する者が出資又は拠出をした金銭その他の財産の価額の合計額の百分の五十を超える額を充てて金銭の貸付けを行う事業に係るもの」に関しては、金融商品取引法施行令第 15 条の4の2第7号の規定により、電子募集取扱業務には該当しないものの、令和元年5月23日付の「貸付型ファンドに関するQ&A」の適用対象になりますので、Q&Aの定めを遵守する必要があります。

当然ながら、第二種金融商品取引業者は、証券取引等監視委員会(財務局)の臨店検査の対象であり、実際に多くの検査が実施されています。第二種金融商品取引業への登録を希望する場合には、法令に違反せず適切に業務ができるよう十分な態勢整備をする必要があります。

第二種金融商品取引業の協会加入義務

前述の一般社団法人第二種金融商品取引業協会規則は、あくまで法的には自主規制規則に過ぎないのですが、法令と同様の拘束力があります。それは、既存の会員に対しては、協会員の遵守すべき規則として定められた自主規制であることに加えて、協会員でない第二種金融商品取引業にも、法令がその規則に準じた社内規則を制定することを求めているからです。

金融商品取引法第29条の4第1項第4号二は、「一般社団法人第二種金融商品取引業協会に加入しない者であって、協会の定款その他の規則(有価証券の売買その他の取引等を公正かつ円滑にすること又は投資者の保護に関するものに限る。)に 準ずる内容の社内規則(当該者又はその役員若しくは使用人が遵守すべき規則をいう。)を作成していないもの又は当該社内規則を遵守するための体制を整備していない者」を金融商品取引業の登録拒否事由に該当するとしています。

また、一般社団法人第二種金融商品取引業協会は、任意加入団体であり、新規登録の際にも加入を予定しないで金融商品取引業の登録を受けることができるのではないかという質問を受けることがありますが、現在は新規登録業者に対して、一般社団法人第二種金融商品取引業協会に加入するように行政指導がなされていることから、事実上、ファンドや信託受益権関連の業務を行う新規登録業者には一般社団法人第二種金融商品取引業協会への加入義務があると考えられています。

ただし、第二種金融商品取引業のうち、投資信託受益証券の自己募集や通貨関連市場デリバティブ取引等の業務に関しては、一般社団法人第二種金融商品取引業協会の自主規制の対象に含まれておらず、業務範囲の対象外となります。

第二種少額電子募集取扱業務との関係

投資型クラウドファンディングを行う場合には、第二種少額電子募集取扱業務として登録を受けなければいけないのではないかという質問がよくあります。結論から言えば、この制度は無視して問題ありません。

法令は、集団投資スキーム持分の募集の取扱い、私募の取扱いであって、発行価額の総額及び取得する者が払い込む額が「少額」であるものは、一定の要件を満たす場合、「第一種少額電子募集取扱業務」又は「第二種少額電子募集取扱業務」として一定の緩和的な規制を設けています。

「少額」要件については、発行価額の総額1億円未満(金融商品取引法施行令15条の10の3第1号)かつ1人あたりの払込額50万円以下(同条2号)とされています。また、総額1億円未満の要件については、(1)募集又は私募を開始する日前1年以内に行われた同一の種類の有価証券の募集若しくは私募と(2)申込期間が重複する同一の種類の有価証券の募集又は私募の発行価額の総額とを合算(金商業等府令16条の3第1項)、1人あたり50万円以下の要件については、払込日前1年以内に同一の種類の有価証券について応募又は払込みが行われたものを合算(同条2項)する、いわゆる合算要件があります

しかし、株式等のエクイティークラウドファンディングを手掛ける第一種少額電子募集取扱業者は、数社存在しているのですが、令和3年現在、第二種少額電子募集取扱業者は存在していません。それは、第二種少額電子募集取扱業者の受けられる規制緩和が、資本金の金額等ごくわずかであるのに対して、第二種金融商品取引業及び電子募集取扱業務の登録を受ければ、上記の金額の制限なくファンドの募集が可能だからです。

電子募集取扱業務の登録をすると、上記の少額要件や合算要件の対象になってしまうのではないかという誤解がよくありますが、第二種金融商品取引業者として電子募集取扱業務を行えば、電子申込型電子募集取扱業務のケースも含めて、上記の少額要件や合算要件は適用されません。

ただし、前述のように、みなし有価証券を500人を超えて募集する場合には、募集(いわゆる公募)に該当するため、事業型ファンドの場合には、事前の契約締結前交付書面の届出義務を負います。また、主として有価証券に投資を行うファンド(金銭その他の財産の価額の合計額の百分の五十を超える額を充てて有価証券に対する投資を行うファンド(金融商品取引法施行令第2条の9))は、募集を行う場合には、有価証券届出書を提出する必要があり、いわゆる開示規制に服することになります。そのため、有価証券投資型のファンドは、499人までの私募の範囲で発行されることが一般的です。

有価証券又はデリバティブ取引ファンドへの制限

第二種金融商品取引業者の業態

市場デリバティブ取引や投資信託受益証券の自己募集のようにマイナーな業態はあえて無視して、第二種金融商品取引業者を分類すると、まずは「ファンドの二種」と「信託受益権の二種」に大別することができます。ここで、あえて無視する理由は、市場デリバティブ取引や投資信託受益証券の自己募集は、それ以外の第二種金融商品取引業の業態は、第二種金融商品取引業のみでは成立しにくいからであり、他の項目に併せて説明したほうが適切だからです。

投資信託受益証券の自己募集(私募及び募集)は、事実上、投資運用業である投信委託業務の付帯業務(投信直販)と見られています。また、通貨関連市場デリバティブ取引等に関しては、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針V-2-2-1法令等遵守態勢の通り、市場デリバティブ取引業者が、通貨関連市場デリバティブ取引等に関し顧客から金銭の預託を受ける場合には、当該行為が有価証券等管理業務に該当するため、第一種金融商品取引業の登録が必要であることから、通常は第一種金融商品取引業の登録を受けて業務を行っています。

さて、上述の「信託受益権の二種」ですが、これは事実上、不動産信託受益権を販売する第二種金融商品取引業であり、信託受益権化された不動産を売買、媒介する、いわば宅地建物取引業者の上級資格のような業態です。不動産信託受益権は、それ自体はファンドでもREITでもありませんので、第二種金融商品取引業だけでは不動産ファンドは作れません。

「ファンドの二種」には、無数の形態がありますが、「主として」、すなわち運用財産の 50%超を、有価証券(株式、債券等)又はデリバティブ取引に係る権利(外国為替証拠金取引、日経平均先物取引等)に投資をすることがないファンドの場合には、商品投資規制法や不動産特定共同事業法等の他法令で規制されている事業でなければ、第二種金融商品取引業に登録することにより、第二種金融商品取引業者のみで適法にファンドを自己募集及び運用することが可能です。

投資運用業の登録を有せず、第二種金融商品取引業のみで金融商品取引業を行う事業者のビジネスモデルでよくあるのは、「船舶・航空機ファンド」「再エネファンド」「絵画・競走馬等の現物ファンド」「貸付型ファンド」「投資型クラウドファンディング」などだと思います。

ファンドの運用者が、投資運用業の登録を受けている場合には、主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に投資するファンドも、第二種金融商品取引業者が組成・販売することができます。ベンチャーキャピタル、ヘッジファンド、PEファンド、信託受益権化された不動産のGKTKの販売等です。逆に言えば、これら運用業務に原則として投資運用業の登録が必要なため、第二種金融商品取引業だけでは、原則としてベンチャーキャピタル、ヘッジファンド、PEファンド、信託受益権化された不動産のGKTK等は、組成することはできません。

ベンチャーキャピタル、ヘッジファンドは、投資運用業のうちファンド業務(15号業務)と第二種金融商品取引業のうち自己募集(7号業務)として行われるが一般的です。また、信託受益権化されたGKTKスキームの場合は、アセットマネージャーによる投資一任業務(12号ロ業務)及び第二種金融商品取引業のうち私募の取扱い業務(9号業務)として行われるのが一般的です。

第二種金融商品取引業のみで有価証券又はデリバティブ取引に投資するファンドが組成できるか

上記の整理を踏まえると、理論上は第二種金融商品取引業に登録すれば、投資運用業者の関与なく、以下のように実質的に有価証券又はデリバティブ取引を営むにファンドも設立することができます。

(1)「関係会社への貸付金」をファンドの事業とし、その関係会社で株式投資
(2)外国為替証拠金取引は、運用資産の3割までにとどめ、残りの7割は飲食店経営

しかしながら、実務上は財務局はこうしたスキームを脱法行為ととらえており、本当にファンド資産の50%を超えることがないのか、審査は厳しく行われます。また、1の事例では貸金業登録の必要性(グループ貸付への該当性)も問題になります。

それゆえ、これらを実現するのは至難の業であり、事業ファンドに有価証券又はデリバティブ取引に係る権利を組み入れる必然性が疎明できない限りは、財務局にはこれらスキームは認められないと考えるべきです。すなわち、第二種金融商品取引業は、活用次第ではいろいろな可能性がありますが、投資者保護上の適切性や金融商品取引法制の制度趣旨を踏まえ、その業務の内容及び方法には慎重な検討を要します。

なお、有価証券又はデリバティブ取引に係る権利がファンド資産の50%を超えることがない場合でも、運用資産の投資判断をファンドの発行者(いわゆるGPや営業者)が自ら行わず、アセットマネージャーを外部に置く場合には、当該アセットマネージャーは投資一任契約を締結するものとして、投資運用業の登録が必要になります。

その他出資対象事業に関する制限

下記のQ&Aに記載するように、第二種金融商品取引業に登録しただけでは組成できないファンド類型は多数あります。当事務所のスタンスとして、形式上は可能であるが、経験上、実質的に実現可能性がない案件に関しては、ご相談の時点でその旨をはっきりと申し上げております。

その点を玉虫色にして「行政書士業務」を発生させるやり方は、仮に私どもの「商売」になったとしても後日、問題が生じるもとになります。また、準備期間をかけてあれこれ用意して結局実現できないということは、厳しい言い方をすればお客様の人生を空費させることになります。当事務所でもそれはなによりも避けたいことです。

実務レベルで実現可能な、そして現実的な範囲でビジネスを実現するにはどうすればいいのか、私どもは経験と知識に基づき知りうる限り客観的に状況をご説明し、解決策をご提案します。迷ったら是非ともご相談ください。

ここまでの説明で概要はわかったので詳細を知りたいという方は以下へどうぞ。

第二種金融商品取引業に関するよくある質問

 どういったファンドであれば、第二種金融商品取引業だけで組成販売が可能でしょうか

 典型的には、貸金業登録をしての貸付事業(ソーシャルレンディング)、再生可能エネルギー事業(太陽光発電等)、船舶・航空機ファイナンス(レバレッジド・リース)、店舗経営事業(飲食店等の事業型ファンド)、知的財産権ファンド(映画製作等)などが挙げられます。これらのファンドは、比較的案件の実在も証明しやすく、第二種金融商品取引業の申請のなかでは通りやすい類型であるといえます。

 

 不動産ファンドは組成可能でしょうか

 現物の不動産ファンドは、不動産特定共同事業法により不動産特定共同事業者許可が必要になります。物件を信託して、いわゆるGKTKスキームにより証券化する方法もありますが、投資運用業が必要になります。

なお、不動産特定共同事業法における特例事業においては、いわゆる4号事業者には同時に第二種金融商品取引業の登録が求められますが、いずれにせよ現物不動産ファンドは、第二種金融商品取引業だけでは組成できません。

ただし、不動産取引を営むSPCへの融資を行うファンドを設立する等、金銭の貸借を組み入れた形(貸金業法に違反しないようにスキームを組む必要はあります)であれば、第二種金融商品取引業のみで組成可能な場合がありますので、個別にご相談ください。

 

 仮想通貨ファンド・マイニングファンド等を作りたいのですが可能でしょうか

 平成30年末現在、行政指導により仮想通貨関連事業を行うファンドの組成に関しては、金融庁・財務局は事実上の行政指導により、一切登録申請並びに業務方法書の変更届出を受け付けておりません。

よって、現在の政策に変更が生じるまでは、金融商品取引業と仮想通貨を関連させるビジネスを行うのは不可能です。ただし、適格機関投資家等特例業務の場合には、出資対象事業が仮想通貨関連事業であっても、届出は受理されています。

 

 主にFXや株式等の金融商品に投資するファンドを作りたいのですが、可能ですか

 前述のように、主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に投資するファンドは、集団投資スキームの自己運用業務に該当することから、一般投資家を相手方とする場合には、投資運用業者に対して投資一任契約で運用を委託するか、ファンドの発行者が投資運用業の登録をしないと運用することができません。

 

 海外でファンドライセンスを持っているファンドの「販売」だけを計画しているのですが、可能ですか

 理論上できる余地はありますが、主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利への投資を行うファンドである場合には、一般投資家向けのファンドを販売するのは非常に困難であるとお考え下さい。原則として当該ファンドの運用者に、日本での投資運用業の登録が必要であると考えられます。

また、そのファンドの中身に関しても非常に厳しい審査が実施されるので、この数年、機関投資家向けを除き、そういった商品が販売可能になった例を寡聞にして聞きません。ただし、そもそも適格機関投資家向けで少人数の場合には一定の例外規定がありますので、お問い合わせください。

なお、外国の運用業者の運用する金融商品を販売する場合には、そのファンドが外国籍投資信託である場合、典型的には外国投資信託の私募届出を行ったうえ、国内で証券会社(有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者)が少人数私募又はプロ私募の取扱を行うのが一般的です。また、現物外国不動産投資ファンドの場合には、不動産特定共同事業許可の対象になりますので、そもそも第二種金融商品取引業では販売できません。

 

 経験者の確保が難しいのですが、コンプライアンスの外部委託は可能ですか

 金融庁は、完全にその可能性を排除しているわけではありませんが、適格投資家向け投資運用業(プロ向け投資運用業)に伴って第二種金融商品取引業に登録する場合を除き、一般には、第二種金融商品取引業の登録ではコンプライアンスの外部委託は困難であると考えられています。

 

 代表者がコンプライアンスを兼務することは可能ですか

 法令等遵守部門は営業部門から独立していることが監督指針上の要件です。会社全体の統括者である代表取締役は、当然営業部門も統括することから、代表取締役はコンプライアンス部門を兼務することはできないと考えられています。さらに言えば、令和3年現在、第二種金融商品取引業の登録には、3~4名程度の金融機関等の職務経験者が必要になっています。代表取締役とコンプライアンス担当者を兼務させるような脆弱な体制では、とくに集団投資スキーム(ファンド)の第二種金融商品取引業の登録希望をしても、当局の相手にされないと考えられます。

 トークン発行・STO等の暗号資産を取り入れた資金調達は可能でしょうか

 金融庁は、ブロックチェーン関連事業者に対しては極めて高い参入ハードルを設けています。コインチェック事件以降に登録が認められた暗号資産交換業者、暗号資産関連デリバティブ取引を提供する第一種金融商品取引業者及び一般社団法人日本STO協会正会員は、例外なく大企業又は大企業の資本が入っている企業です。これら事業を行うのは、大企業以外は不可能とお考え下さい。なお、STOに関しては、その取扱いが第一種金融商品取引業と位置付けられているところ、令和3年に入り大手証券会社では、変更登録の完了事例が出てきています。

 暗号資産資産ビジネスやICO/STOは、中小企業には不可能なのでしょうか

 流通性のあるユーティリティ・トークンに関しては、不可能と見ていいと思います。みなし有価証券としての収益分配性を持つトークンのSTOに関しては、適格機関投資家等特例業務による自己募集を併用することで、実態的にも少人数プロ向けに限定された内容であれば許容余地があります。一方で、第二種金融商品取引業等の金融商品取引業たる位置付けでセキュリティートークンを私募・募集するのは、令和3年現在は、不可能と見られます。

 第二種金融商品取引業の登録が非常に難しくなっていると聞きます。登録は可能なのでしょうか

 近年、登録にあたって求められる人的構成や社内規程等の整備の水準が上昇しており、かつてと比べて、相当に充実した体制であることが求められるようになっています。現代の第二種金融商品取引業の登録難度は、とりわけクラウドファンディングやレンディングファンドの場合には、第一種金融商品取引業や投資運用業に匹敵するといっても過言ではありません。とはいえ、十分な職務経歴に裏付けられた知識経験を有する役職員をそろえ、また、役職員が行おうとするファンド事業に対して、確固たるプロフェッショナルとしての知識経験を有している会社の場合、第二種金融商品取引業に登録できない理由がありません。当事務所が取扱ったケースでも、そうした事例ではほぼ確実に登録できていますし、思ったより短時間で登録できたという例も散見します。逆に、登録できないのは、金融商品取引業に十分な経験がある役職員が揃わない場合や、事業内容に対してプロとしての知見があるとは思えない場合等です。

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