投資助言・代理業の運営

投資助言・代理業(投資顧問業)の行為規制

投資助言・代理業は、金融商品取引業のうち、金融商品取引法第2条第8項第11号に掲げる投資助言業務及び第13号に掲げる投資顧問契約又は投資一任契約の代理・媒介業務から成り立っています。

その規制の体系は、旧投資顧問業法の規制を継承したものと、金融商品取引業共通の規制に基づくものの2要素から成り立っており、いずれも投資者の保護をその目的としています。

本項目では、金融商品取引業の登録を受けて実際に投資助言・代理業の運営をしていくうえで、事業者が留意すべき行為規制等について解説していきます。

(i)広告規制

集客にあたっては、多くの事業者で新聞・雑誌・インターネット等での広告を行うことになると思います。しかしながら、ここでの広告はセミナーで配布する勧誘資料等も含む広い概念です。

金融商品取引法第37条では、広告規制の対象は、「その行う金融商品取引業の内容について広告(※1)その他これに類似するもの(※2)として内閣府令で定める行為であると定まっています。

※1

広告

① テレビCM
② ラジオCM
③ ポスターを貼る方法
④ 新聞に掲載する方法
⑤ 雑誌に掲載する方法
⑥ インターネット・ホームページに掲載する方法
※2

広告類似行為

①郵便
② 信書便
③ ファクシミリ装置を用いて送信する方法
④ 電子メールを送信する方法
⑤ ビラ又はパンフレットを配布する方法
⑥ その他
ただし、次に掲げるものは広告等に該当しない。【金商業等府令第 72 条各号】
イ.法令又は法令に基づく行政官庁の処分に基づき作成された書類を配布する方法
ロ.個別の企業の分析及び評価に関する資料(アナリスト・レポート)であって、金融商品取引契約の締結の勧誘に使用しないものを配布する方法
ハ.次に掲げるすべての事項のみが表示されている景品その他の物品(ノベルティ・グッズ)を提供する方法
a.次に掲げるいずれかのものの名称、銘柄又は通称
ⅰ.金融商品取引契約又はその種類
ⅱ.有価証券又はその種類
ⅲ.出資対象事業又はその種類
ⅳ.ⅰ~ⅲまでに掲げる事項に準ずる事項
b.金融商品取引業者等の商号、名称若しくは氏名又はこれらの通称
c.元本損失が生じるおそれがある旨(当該事項の文字又は数字が当該事項以外の文字又は数字
のうち最も大きなものと著しく異ならない大きさで表示されているものに限る。)
d.契約締結前交付書面(又は目論見書)の内容を十分に読むべき旨

広告規制は、近年急速に実務上の重要性が高まっている分野です。

後述しますが、近年では投資助言・代理業者のインターネット上での問題ある広告に関して、下記のように当局の問題意識が非常に強まっており、広告規制その他各種ガイドラインを遵守した業務運営が求められています。

(7)投資助言・代理業者
投資助言・代理業者については、顧客に誤解を生じさせる広告を行っていな
いか、虚偽の説明による勧誘を行っていないか等について検証を行う。

令和元事務年度 証券モニタリング基本方針(P6)より引用

また、金融商品取引業者は、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針(III-2-3-3 広告等の規制)に基づき、広告規制に違反しないよう、事前に広告審査を行って、それを社内で保存することが求められています。

また、広告規制違反となる不適切な広告行為に関しては、具体的な行為の具体的な態様により、断定的判断、虚偽告知、重要な事項につき誤解を生ぜしめる表示等の禁止行為にも該当する場合があります。

なお、サイト上に「特定商取引に基づく表示」を掲載している業者を見かけますが、金融商品取引業者の行う金融商品取引業に関しては、特定商取引に関する法律の適用はありません。そのため、投資顧問契約に関するサイトの場合には、オンライン契約の形態だったとしても、特定商取引法に基づく表示は不要となります。

 金融商品取引業者が広告等をするときは、当該業者の商号等及び顧客の判断に重要な影響を及ぼす一定の事項を表示しなければならない。
 金融商品取引業者が広告等をするときは、金融商品取引行為を行うことによる利益の見込み等について、著しく事実に相違する表示又は著しく誤認させるような表示をしてはならない。

(ii)適合性の原則

実際に顧客と契約する際には、金融商品取引法第40条第1号に定める適合性の原則が適用されます。そのため、一般投資家と投資顧問契約を締結する際には、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針に基づき、顧客カードの作成義務を負います。そのため、顧客には契約時に収入、資産、職業等を確認する必要があります。

なお、オンライン業務を中心とする投資助言・代理業者には、実務上、顧客審査をまったく行っていない業者も存在します。その根拠として、投資助言・代理業者は、原則として、第一種金融商品取引業や第二種金融商品取引業等と異なり、犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認の義務を負わないため、本人特定事項等の確認が不要であることと混同して、顧客審査が要らないと考えている事業者も見られます。

しかしながら、上記のように適合性の原則に基づく取引時の顧客審査が必要であること、また仮に、適合性の原則の適用されない特定投資家であったとしても、法令及び協会規則に基づく反社会的勢力との関係遮断の必要性があることから、顧客を取引開始前に全く審査をしないという業務フローは許容されません。

 金融商品取引業者は、金融商品取引行為について顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約の締結の目的に照らして不適当な勧誘により投資者の保護に欠けること、又は欠けることとなるおそれがないように業務を行わなければならない。

(iii)書面交付義務

投資顧問契約を締結する際には、投資顧問契約書とは別に、顧客に対して、契約締結前の書面の交付(金融商品取引法第37条の3)及び契約締結時等の書面の交付(金融商品取引法第37条の4)が必要になります。うち、契約締結時交付書面は、顧客氏名や契約成立日を記載する必要があることから、顧客毎にこれを作成・交付する必要があります。

オンラインやeメールでの、いわゆる電磁的方法によりこうした書面の交付をする場合には、電磁的方法により交付する書面の種別を明記したうえで、予め電磁的方法による交付の同意を取得し、保存する必要があります。

なお、契約締結前交付書面及び契約締結時交付書面の他にも、いわゆる「法定帳簿」として、投資顧問契約書、クーリングオフ書面、助言記録、特定投資家関連書面等が定められています。これら法定帳簿は、社内での一定の年数の保存をすることが必要になります。

また、法定帳簿を、電磁的なデータで保存する場合には、法令監督指針で具体的な保存方法の要件について定められています。例えば単にデスクトップ上のエクセルで保存してあるだけ、といった状態では法令違反を構成するため、注意が必要です。

 金融商品取引業者は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、顧客に対し、当該業者の商号等、契約の概要及び顧客の判断に重要な影響を及ぼす一定の事項を記載した書面を、契約締結前に交付しなければならない(当該契約締結前1年以内に、当該顧客に対して一定の書面を交付している場合等は除く。)
 金融商品取引業者は顧客に対し、一定の場合を除き、契約が成立したとき等において、当該業者の商号等、契約の概要その他一定の事項を記載した書面を交付しなければならない。

(iv)クーリングオフ

金融商品取引法第37条の6にクーリングオフが定められています。投資顧問契約を締結した顧客は、契約締結時書面を受領した日から10日間は、当該契約を書面により解除することができるとされています。これは、特定商取引に関する法律の定めるクーリングオフとは異なる制度です。

また、その際の費用の清算に関しては、投資顧問契約に基づく助言を行っていない場合は、投資顧問契約締結のために通常要する費用を受領し、行っている場合には、契約内容に応じて日割り又は回数割で清算をするように法令で定まっています。

 金融商品取引業者と投資顧問契約を締結した顧客は、一定の場合を除き、契約締結時等の書面を受領した日から10日間は、当該契約を書面により解除することができる。
 金融商品取引業者は、上記により契約が解除された場合、一定の対価(当該解除までの期間に相当する手数料等)の額を超えて当該解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を顧客に請求することはできない。

法令上、クーリングオフは書面で行う必要があると定められています。そのため、メールでクーリングオフの受け付けをすることができないと解されることが、実務上投資助言・代理業者の間で問題になっていました。これを受け、令和3年3月5日に国会に提出された金融商品取引法改正案では、以下のようにメール等の電磁的記録でクーリングオフの手続きができることが明示されています。同法案の成立までの審議と施行時期が注目されます。

第三十七条の六 金融商品取引業者等と金融商品取引契約(当該金融第三十七条の六金融商品取引業者等と金融商品取引契約(当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限商品取引契約の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)を締結した顧客は、内閣府令で定める場合を除き、第三十七る。)を締結した顧客は、内閣府令で定める場合を除き、第三十七条の四第一項の書面を受領した日から起算して政令で定める日数を条の四第一項の書面を受領した日から起算して政令で定める日数を経過するまでの間、書面又は電磁的記録により当該金融商品取引契経過するまでの間、書面により当該金融商品取引契約の解除を行う約の解除を行うことができる。
2次の各号に掲げるものにより行う前項の規定による金融商品取引2前項の規定による金融商品取引契約の解除は、当該金融商品取引契約の解除は、当該各号に定める時に、その効力を生ずる。契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
一書面当該書面を発した時
二記録媒体に記録された電磁的記録当該記録媒体を発送した時

新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案(改正金融商品取引法案第37条の6)

(v) 金銭又は有価証券の預託の受入れ等の禁止

投資助言・代理業者は、金融商品取引法第41条の4に基づき、有価証券等管理業務として行う場合その他政令で定める場合を除くほか、顧客から金銭又は有価証券の預託を受けれることはできません。これは、投資運用業のうち投資一任業務を行う者に関しても同様です。

有価証券等管理業務等を行う場合とは、第一種金融商品取引業者が金融商品取引法第2条第8項第16号に掲げる有価証券等管理業務として行う場合、すなわち証券会社及びFX業者が取引口座で資金を預かる場合の他、信託業務を営む金融機関である登録金融機関が信託業務として行う場合、預金、貯金又は銀行法第二条第四項に規定する定期積金等の受入れを行う場合(金融商品取引法施行令第16条の9)及び他人のために暗号資産の管理を業として行うことにつき法律に特別の規定のある者が当該管理を行う場合(暗号資産交換業者。金融商品取引業等に関する内閣府令第126条の2)です。

特定投資家向けには預託の受入れ禁止が免除されますが、預託を受けた金銭・有価証券を分別管理する体制が整備されていない場合には特定投資家相手であっても適用対象になります。

 金融商品取引業者は、一定の場合を除き、その行う投資助言業務に関して、いかなる名目によるかを問わず、顧客から金銭若しくは有価証券の預託を受け、又は当該業者と密接な関係を有する一定の者に顧客の金銭若しくは有価証券を預託させてはならない。

(vi) 金銭又は有価証券の貸付け等の禁止

金融商品取引法第41条の5により、投資助言・代理業者は、投資助言業務に関して、顧客に対して金銭や有価証券の貸し付けを行うことは禁止されています。

 金融商品取引業者は、一定の場合を除き、その行う投資助言業務に関して、顧客に対し金銭若しくは有価証券を貸し付け、又は顧客への第三者による金銭若しくは有価証券の貸付けにつき媒介、取次ぎ若しくは代理をしてはならない。

(vii)その他の規制

投資助言・代理業者に対しては、上記に加えて、顧客に対する誠実義務、名義貸しの禁止、虚偽告知の禁止、投資助言・投資運用にかかる偽計等の禁止、顧客情報の適正な取り扱い、標識の提示、断定的判断の提供の禁止、損失補てん等の禁止、特別の利益の提供の禁止、公衆縦覧等その他多数の規制が存在しています。

実務上、特別の利益の提供の禁止は非常に重要な論点です。投資顧問料等の割引、キャッシュバック等のキャンペーンは、常に特別の利益の提供の禁止に抵触しないか、また、現在届出済みの業務の内容又は方法を記載した書面との矛盾抵触が生じていないかを綿密に検討したうえで、これを設定する必要があります。

なお、機関投資家向けに業務を行う場合には、規制の簡略化が図られています。特定投資家に該当する顧客に対しては、広告規制、適合性の原則、クーリングオフ等が適用されず、また、一部の書面交付が不要となるなど、一定の行為規制の免除がありますので、規制の適用関係が変わってきます。

投資助言・代理業(投資顧問業)の運営実務のポイント

日常の投資助言・代理業者としての業務運営上は、各種変更届や年次の事業報告書の確実な提出が大切になります。金融商品取引業では、業務の内容又は方法、役員、所在地、定款、グループ会社の異動等、届出義務が定められている事項に動きがあるたびに、当局への変更届が必要になります。

顧客からの苦情・紛争処理に関しては、社内の苦情・紛争処理規程に基づき、社内規則に適合した解決を図る必要があるほか、必要に応じてADR措置(FINMAC)を活用しての紛争解決が求められます。また、かかる苦情紛争が、自社の法令違反に起因している場合には、事故届出書の提出を含め、必要な手続きを講じたうえで、内部管理態勢の改善を行っていく必要があります。

ここまで見てきたように、投資助言・代理業者には、多数の行為規制があります。オンライン専業で投資顧問業務を行う事業者には、投資助言業務をネットビジネスの一種と考えている方もいますが、これらの規制を見て頂ければわかるように、投資助言・代理業者は金融商品取引業者であり、いわば「金融機関」です。

金融商品取引業者又は登録金融機関にお勤めになったことがなく、ネットビジネスで投資系商材を扱われている、という場合には、意図したマーケティング手法が法令上許容されるか、とりわけ慎重な検討が必要です。

投資助言・代理業は、金融商品取引業の他の業態と比して、一般的には求められる常勤役職員の人数は少なめです。しかし、投資助言・代理業者といえど、あくまで証券会社等と同じ金融商品取引業者ですので、法令上多くの義務を負っています。

現在、投資助言・代理業者に対しても頻繁に臨店検査が実施されていますので、これらの法令上の義務を確実に履行できる体制を構築することが重要になっています。

とはいえ、投資助言・代理業者は、第一種金融商品取引業者、第二種金融商品取引業者等と比べれば、行為規制の複雑性は限定的ですので、当初に適切な業務フローを構築できれば後々非常に楽になります。

投資助言・代理業(投資顧問業)で問題が生じやすいケース

投資助言・代理業は、その業界での「知名度」に比して「正確な業務内容」が、必ずしも事業者に十分には理解されていません。そのため、事業者に金融商品取引法に関する十分な知識がないと、主観的には法令違反をするつもりがないのに規制に抵触している場合があります。

これは、法令に対する認識不足から、投資助言・代理業の範囲をが正確に理解できていないケースが非常に多いということを意味します。第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業等他の種別と比べて、投資助言・代理業では、コンプライアンス機能が弱い会社が比較的多いことがこの傾向に拍車をかけている気がします。

海外FX等関連業務

投資助言・代理業では金融商品の販売することはできず、また顧客資産の運用もできません。さらには、証券口座やFX口座の開設の代理店もできません。その点は、非常に重要なポイントになります。

近年、海外FX業者の居住者に対する無登録営業が社会問題になり、当局による取締まりが強化されています。一定の要件を満たすプロ向けの外国業者は、確かに登録義務が課せられないですが、居住者の個人向けの海外FX業者は、基本的に所在地にかかわらず法令違反です。

「海外へ顧客を連れていき、海外業者が海外で顧客を勧誘しているので日本法は関係ない」「オフショア法人が代理店であって、日本ではサポートのみ提供している」「顧客から手数料を受け取っていないから問題ない」などの主張をよく耳にしますが、金融商品取引法上、これらはいずれも無登録営業を構成する可能性があります。

無登録海外FX業者に顧客を送客して、投資助言・代理業として、PAMMによる自動売買取引を提供したい等の相談を受けることがあります。しかしこれはスキーム的に登録手続自体が不可能ですし、内容的に第一種金融商品取引業及び投資運用業の登録を要すると思われ、そもそも投資助言・代理業の範囲でもありません。

外国投資案件関連業務

無登録海外FX業者のケースと同様、外国ファンドや外国積立型保険(実質的には保険性はなくファンドに該当する商品性のもの。オフショア地域に複数存在。ただし令和2年現在では同商品を国内で販売する者は激減。)の居住者に対する無登録での販売も見られます。

しかしながら、これも海外FXと同様、同じく投資助言・代理業者による勧誘はできません。投資助言業は顧客の利益のために助言する「投資家側」の業務となりますので、そもそも直接・間接に販売手数料を収受すること自体がおかしいといえます。

なお、投資助言・代理業者は、年次の事業報告書で、助言を行った有価証券について、有価証券の発行者、発行者から委託を受けた運用会社又は管理会社から、経済的利益を直接又は間接に受領していないかどうか記載を求められています。

こうしたケースで、実際には発行者から直接・間接に経済的利益を受け取っているにもかかわらず、受け取っていないと記載した場合には、事業報告書の虚偽記載として行政処分の対象になり得ます。

投資顧問契約・投資一任契約の代理・媒介は投資助言・代理業でもできますが、FXのIBは第一種金融商品取引業、ファンド販売は第二種金融商品取引業の登録をする必要があります。

ただし、その場合も媒介先が海外無登録FX業者の場合には違法性は治癒されませんので、居住者を相手方とする限りは、適法に海外無登録FX業者に送客する余地はありません。

名義貸し

投資助言・代理業者は、例えばシステムトレードの開発者や外部の有名トレーダー等からシグナル配信の提携の誘いを受けたり、集客の代行業者から営業を受けるなど、外部から各種業務提携の申し入れが、頻繁に寄せられる傾向にあります。しかしながら、こういった提携の適法性に関しては、極めて抑制的に解する必要があります。

これらは、提携関係の実態次第で非常に法令違反を発生しやすい取引類型です。金融商品取引法上、投資助言及び勧誘は、必要な金融商品取引業の登録を受けた外部業者以外には、委託してはいけないことを認識する必要があります。近年、当局は外部への名義貸しには厳しい姿勢で臨んでいます。

金融商品取引業の登録がない者に対し、自社名義をもって、他人に金融商品取引業を行わせた場合、金融商品取引法第36条の3に違反するため、実際に登録取消しを含む行政処分事例が生じています。

誇大広告

前述のように、主として株式に対する助言を行う投資助言・代理業者に対する監督が近年、極めて厳しくなっています。虚偽告知・重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示等の誇大広告行為に絡んで、行政処分事例が頻発しており、インターネットを利用した個人向け株式投資顧問への参入は、ハードルが高いものになりつつあります。

また、広告規制に関しては、一般社団法人日本投資顧問業協会の「広告、勧誘等に関する自主規制基準」に関しても留意してこれを行う必要があります。

当局の監督強化により金融商品取引業をめぐる情勢は、毎年大きく変化しています。ネット上の情報など、既に過去のものになってしまっている場合もありますのでまずはお気軽にご相談ください。

協会規則

投資助言・代理業の運営にあたっては、前述の協会規則も重要となります。協会規則は、事業者の行為の適否を判断するうえでの一定の指針と解されており、一般社団法人日本投資顧問業協会非加入業者であっても、その規則の内容を把握して、自主的に各種基準を遵守する必要があります。

なかでも、投資助言・代理業の現在の監督上の重点は、広告の状況にあります。証券取引等監視委員会による令和2年8月4日付の証券モニタリング基本方針では、「(7)投資助言・代理業者投資助言・代理業者については、これまでの検査結果を踏まえ、顧客に誤解を生じさせる広告手法を用いていないか、虚偽の説明による勧誘を行っていないか等引き続き検証を行う。」とされています。

前掲の「広告、勧誘等に関する自主規制基準」における、投資意欲を不当にそそる表現等の禁止、推薦、保証等の表現の禁止、適正な情報の提供、利益保証の表示の禁止、断定的又は刺激的な表示等の禁止、優越性の表示、助言の実績の表示、運用実績等の表示、限定的な誘引の表示や、「ソーシャルメディアによる広告及びアフィリエイト広告に係る留意事項」に関しては、特段の注意を払う必要があります。

また、「投資助言業に関する業務運営基準」においては、以下の要件を満たした社内規程の整備義務を課していることが重要です。

イ 役員(非常勤役員を除く。)、使用人及びこれらと生計を一にする親族(直系尊属を除く。)に適用する。
ロ イに掲げる者が行う取引については、取引の日付、取扱証券会社名・取引口座名、銘柄・数量・売買の別等を届け出る。
ハ 株式等及び投資証券等の取引は投資を目的とする場合に限り行うことなどその保有、取引について必要な条件を付する。
ニ 管理責任者を設置する。

投資助言・代理業の運営に関するよくある質問

当社はネットで情報会員を集めるマーケティングノウハウがあります。これを生かして株式やFXの投資顧問を始めたいです。どのようにすればいいでしょう。

投資助言・代理業者は、「経験者」が必ず必要になりますので、ネットビジネスが母体の事業者であっても、必ず銀行や証券、投資顧問等のOBを役職員で確保することが必要になります。これを確保できない、また採用する予算もない場合には、登録は不可能です。なお、個人でのトレードや、金融商品取引業者又は登録金融機関ではない会社の経験は経験と扱われません。
経験者の確保が必要です。なお、ネットビジネス、とりわけ、情報ビジネスの発想を、そのまま投資助言・代理業に持ち込むと、適合性の原則、広告規制等の金融商品取引法上の義務との関係で違法状態を生じる可能性もありますので、業務に関する規制を事前に入念に検討してから、参入するかどうか決定いただいたほうがいいと思います。

投資顧問業者には、どのくらいの頻度で検査が来ますか?

投資助言・代理業者には、定期的な検査は実施されていません。
しかしながら、顧客数が多くなった場合や、何か目立つようなサービスを取り扱っている場合、はたまた顧客からの苦情が多い場合等、当局から検査を実施する必要性が高いと判断された場合には、無予告での臨店検査が随時実施されています。

投資助言・代理業に登録すると当局にはどのような報告が必要になりますか?

契約件数や売上、当期の業務状況や決算概要などを記載した事業報告書を、年に1回、金融庁の統合モニタリングシステムを利用して提出する必要があります。また、商号変更、定款変更、役員変更等の多くの事柄が届出事項と決まっており、変更が発生した場合には一定期日内に届出の義務があります。
さらに、一般的な事項に関する報告命令やアンケート等が年に数回程度不定期に実施されるほか、何らかの当局の関心事項が生じた場合、特に個別業者に対して、財務局から報告書の提出を命じられる場合があります。こうしたいわゆる「報告徴求」は、何らかの処分が当局の念頭にあることが多く、特に慎重な対応が必要です。

プロモーションのため、割引キャンペーンや、プレゼント・キャッシュバックキャンペーン等を実施したいのですが可能でしょうか?

通常、料金等のサービス内容は業務の内容又は方法を記載した書面(いわゆる「業務方法書」)に定まっており、その内容を変更するには変更届出が必要になります。
また、変更届出義務を履行することは当然のこととして、キャンペーン内容は、景品表示法の制限を受けるほか、一部の顧客だけを正当な根拠なく優遇して、いわゆる特別の利益の提供に該当しないように、キャンペーン内容を定める必要があります。また、先着人数限定といった、いわゆるネット広告でよく用いられるプロモーション手法に関しても、虚偽告知として行政処分が行われた先例があります。

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