2021/03/23
令和3年3月31日をもって、特例措置の適用が期限を迎え、令和3年4月1日から消費税の総額表示が義務付けられます。
それに伴い金融商品取引業者も、契約締結前交付書面、契約締結時交付書面、webサイト等の消費者向け価格の表記を税込みの総額表示に表記統一する必要があります。
消費税率が、平成26年に8%、令和元年に10%と短期間に段階的に引き上げられたことで、金融商品取引業者の業務方法書は税抜表記で手数料等の価格を表記するのが一般的になっていますので、多くの金融商品取引業者等では、各種書面の差し替えに加え、必要に応じて業務方法書の変更届出をすることが必要になります。
総額表示の具体的な方法ですが、国税庁HPによれば、例えば、次に掲げるような表示が「総額表示」に該当するとされています。
11,000円
11,000円(税込)
11,000円(税抜価格10,000円)
11,000円(うち消費税額等1,000円)
11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
[ポイント]
支払総額である「11,000円」さえ表示されていればよく、「消費税額等」や「税抜価格」が表示されていても構いません。
例えば、「10,000円(税込11,000円)」とされた表示も、消費税額を含んだ価格が明瞭に表示されていれば、「総額表示」に該当します。
金融商品取引業者等は、現在の顧客交付書面がこうした表記の「総額表示」基準に合致しているか、網羅的に点検、検討する必要があります。
なお、消費者に対して、商品の販売、役務の提供などを行う場合、いわゆる小売段階の価格表示をするときには総額表示が義務付けられますが、事業者間での取引は総額表示義務の対象とはなりません。
そのため、事業法人や機関投資家を相手方とする金融商品取引業の業態の場合には、法的には総額表示への記載変更の必要はないと解されます。