行政書士トーラス総合法務事務所トーラス・フィナンシャルコンサルティング株式会社

令和6年金融商品取引法等改正

2024/03/27

金融庁は、令和6年3月15日金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案を第213回国会に提出しています。

ミドル・バックの業務委託

今回の改正内容は、投資運用業者からミドル・バックオフィス業務(法令遵守、計理等)を受託する事業者の任意の登録制度を創設。当該登録業者に業務を委託する投資運用業者の登録要件(人的構成)を緩和したことが目につきます。

投資運用業等(投資運用業適格機関投資家等特例業務又は海外投資家等特例業務)におけるこうした業務は「投資運用関係業務」と位置付けられており、これらを業として行うことを「投資運用関係業務受託業」と整理したうえで、登録を受けたものを「投資運用関係業務受託業者」と呼称するとしています。

金融庁はこれを「分業化が進む欧米と同様に、投資運用業者がファンド運営機能(企画・立案)に特化し、様々な運用業者へ運用(投資実行)を委託できるよう、運用(投資実行)権限の全部委託を可能とする」ものであるとしています。

改正案では、投資運用関係業務受託業者に対して、誠実義務、委託者に対する忠実義務及び善管注意義務、業務管理態勢の整備、名義貸しの禁止、再委託の禁止及び記録の保存等の行為規制が義務付けられています。

非上場有価証券の仲介業務

あわせて、金融庁は「スタートアップ等が発行する非上場有価証券の仲介業務への新規参入を促進し、その流通を活性化させるため、非上場有価証券について、プロ投資家(特定投資家)を対象とし、原則として金銭等の預託を受けない場合は、第一種金融商品取引業の登録要件を緩和」するとして「非上場有価証券特例仲介等業務」の概念を新設。

これを行う者を非上場有価証券特例仲介等業者と位置付けています。金融庁は「特定投資家等を対象とした非上場有価証券の仲介等の業務のみを行う第一種金融商品取引業者については、自己資本規制比率に関する規制、兼業規制及び金融商品取引責任準備金の積立に関する規制の適用を除外」するとしています。

また、私設取引システム(PTS)についても、法案では取引規模が限定的な場合は、認可を要せず、第一種金融商品取引業の登録により行えるとされています。

その他改正の概略はこちら(金融庁資料)をご覧ください。

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