海外投資家等特例業務等の制度施行

2021/11/26

令和3年5月26日に公布された改正金融商品取引法が、11月22日より施行になりました。これにより、海外の資産運用業者を主なターゲットとした海外投資家等特例業務及び移行期間特例業務の制度が今週よりスタートしています。11月22日付で金融庁のホームページには、届出書の様式等が掲載されました。

これに先立ち、11月10日には、「令和3年銀行法等改正に係る政令・内閣府令案等に関するパブリックコメントの結果等について」が発表されています。

パブリックコメントの注目点

コメント内容として注目される点としては、マスター・フィーダー方式のファンドは、一定の条件で金商法第 42 条の2第1号に規定する自己取引又は同条第2号に規定する運用財産相互間取引に該当しないことが示されました(同 No174)。

また、コンプライアンスの外部委託の余地を認めるとともに、「外部委託先において、コンプライアンス業務に係る十分な知識及び経験を有する者を確保するとともに、届出者においても、その役職員として、コンプライアンスを担当する者を確保することが必要と考えられます」との見解を示しています。

従来より適格投資家向け投資運用業や投資助言・代理業では、コンプライアンスの外部委託の余地は金融庁により示されていましたが、海外投資家等特例業務でも同様に外部委託を認める一方で、内部に担当者を設置することは必要であると示したことが従来と異なります(同 No176、No177)。

運用及びコンプライアンスの外部委託

今回の金融庁の回答は、従来の外部委託と異なる概念が導入されたというよりは、外部委託に関する考え方に関して、改めて整理がなされたと考えたほうがよさそうに思えます。

現在の投資家向け投資運用業や投資助言・代理業でも、内部に担当者を設置(代表者の兼任の場合も含む)したうえで、実務を外部委託先に行わせるという業務委託方式が一般的に採用されており、そもそも社内にコンプライアンス責任者がまったく存在しないという形態は例外的です。

さらに「「法令等を遵守させるための指導に関する業務を統括する者その他これに準ずる者」及び「運用を行う部門を統括する者その他これに準ずる者」に該当する使用人があるときにその者の氏名を届け出ることを求めており、これらの者を使用人として選任することを義務付けているものではありませんが、これらの者を使用人として選任しない場合であっても、金商業者等監督指針Ⅵ-3-1-1(1)、Ⅵ-3-1-2(2)に準じて、資産運用を行う者やコンプライアンスを担当する者として、例えば、これらに関する業務に1年以上従事していた者等、十分な知識及び経験を有する者を確保することが適切」(同)と示しています。

運用及びコンプライアンス業務の外部委託自体は認めているものの、自社内又は委託先に1年以上の当該業務従事経験を有する運用担当者及びコンプライアンス担当者を確保することを求めています。

制度への関心概況

パブリックコメントのうち、海外投資家等特例業務及び移行期間特例業務に関する質問は、No174から182までと8問しか寄せられておらず、最後の質問に至っては「海外投資家等特例業務届出者を追加する改正の趣旨を明らかにするべし。」が質問内容です。

これを見る限り、現段階ではこの制度への関心が必ずしも高まっていないように感じられます。もっとも、新型コロナウイルスの感染拡大により国際間の往来が制限されている現状ではこれはある意味当然の結果です。近づきつつあると思われる感染収束の後には、こうした制度の利用が多いに拡大することが期待されます。

なお、海外投資家等特例業務制度に関する速報は下記のURLに記載していますが、まだ法案段階の古い内容です。近日中に記事をリライトして改めてご案内します。

 

海外投資家等特例業務とは

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