金融サービス仲介業とは

2021/02/25

令和2年の金融商品取引法改正により、金融商品の販売等に関する法律が「金融サービスの提供に関する法律」に改められて、今年、新たに金融サービス仲介業の制度が発足することになっています。今までその詳細な制度設計は、金融商品販売法等改正に係る政令・内閣府令案等の公表待ちでしたが、2月22日付で金融庁より、「令和2年金融商品販売法等改正に係る政令・内閣府令案等の公表について」が発表され、その詳細が明らかになりました。

同法では、「金融サービス仲介業」を「預金等媒介業務」「保険媒介業務」「有価証券等仲介業務」「貸金業貸付媒介業務」のいずれかを業として行うこととして、、それぞれの業務について、顧客に対し高度に専門的な説明を必要とする金融サービスの取扱いを含めないこととしています。今回の政令・内閣府令案等により、具体的に除外される金融サービスの詳細も明らかになりました。

出典:金融庁資料

【銀行業務の制限範囲】
金融サービス仲介業者が仲介を禁止される、高度に専門的な説明を必要とする預金等の受入れを内容とする契約等は、金融サービスの提供に関する法律施行令(以下「施行令」という。)案第17条に定義されています。

第17条 法第十一条第二項第一号に規定する政令で定めるものは、次に掲げる契約とする。

1 法第二十九条において読み替えて準用する銀行法第五十二条の四十四第二項に規定する特定預金等契約(国民の日常生活に係る取引に用いられる預金等として内閣府令で定めるものの受入れを内容とする契約を除く。)
2 払戻しについて期限の定めがある預金等で譲渡禁止の特約のないものの受入れを内容とする契約

2 第十一条第二項第二号に規定する政令で定めるものは、次に掲げる契約とする

1 個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。第二十条第一号において同じ。)である顧客との間の資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約のうち、当該顧客によりあらかじめ定められた条件に従った返済が行われることを条件として、当該顧客の請求に応じ、極度額の限度内において資金の貸付け又は手形の割引を行うことを約するもの
2 前号に掲げる契約に基づく資金の貸付け又は手形の割引に係る契約

金融商品の販売等に関する法律施行令等の一部を改正する政令案新旧対照表より引用

【保険業務の制限範囲】
金融サービス仲介業者が仲介を禁止される、顧客に対し高度に専門的な説明を必要とする保険契約に関しては、施行令案第18条で、以下のように定義されています。

第18条 法第十一条第三項に規定する政令で定めるものは、次に掲げる保険契約とする。
1 保険業法第三百条の二に規定する特定保険契約
2 不動産及び動産を主たる保険の目的とし、主として火災によって生ずる損害を塡補することを約する保険契約(専ら動産を保険の目的とするものを除く。)
3 再保険契約
4 法人その他の団体又は個人(事業として又は事業のために保険契約者となる場合におけるものに限る。)を保険契約者とする保険契約
5 団体保険(団体又はその代表者を保険契約者とし、当該団体に所属する者を被保険者とする保険をいう。)に係る保険契約(保険契約者等(法第十七条第一項に規定する保険契約者等をいう。第七号イにおいて同じ。)の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)

⇒金融サービス仲介業等に関する内閣府令(以下「業府令」という。)第5条第1項「令第十八条第五号に規定する内閣府令で定めるものは、被保険者に対する行事の実施等に付随して引き受けられる保険に係る保険契約(当該行事の実施等に起因する損害等を対象とするものその他の当該行事の実施等と関連性を有するものに限る。)とする。」

6 保険料の計算の基礎となる係数その他の事項について、顧客に対して必要な情報が適切に提供されることが特に必要なものとして内閣府令で定める保険契約

⇒業布令第5条第2項「令第十八条第六号に規定する内閣府令で定める保険契約は、次に掲げる保険契約とする。」
一 既に締結している保険契約(以下この号並びに第五十六条第一項第三号ニ及び第三項第二号において「既契約」という。)を消滅させると同時に、既契約の責任準備金、返戻金の額その他の被保険者のために積み立てられている額を、新たに締結する保険契約(以下この号において「新契約」という。)の任準備金又は保険料に充当することによって成立する保険契約(既契約と新契約の被保険者が同一人を含む場合に限る。)
二 基礎率変更権(予定発生率(保険契約締結時の保険料計算の基礎となる保険事故発生率をいう。以下この号において同じ。)について、実際の保険事故発生率が保険契約締結時の予測と相違し又は今後明らかに相違することが予測されるため、予定発生率を変更して保険料又は保険金の額の変更を行う権利をいう。)に関する条項を普通保険約款に記載する第三分野保険(保険業法第三条第四項第二号又は第五項第二号に掲げる保険をいう。以下この号において同じ。)の保険契約(保険期間が一年以下の保険契約(当該保険契約の更新時において保険料率の変更をしないことを約した保険契約を除く。)及び傷害保険契約(第三分野保険のうち次に掲げる事由に関するものに係る保険契約をいう。)その他これに準ずる給付を行う保険契約を除く。)
イ 傷害を受けたことを原因とする人の状態
ロ 傷害を受けたことを直接の原因とする人の死亡
ハ イに定めるものに関し、治療(治療に類する行為として次に掲げるものを含む。)を受けたこと。
⑴保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三条に規定する助産師が行う助産
⑵柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二条第一項に規定する柔道整復師が行う施術
⑶あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)に基づくあん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師が行う施術(医師の指示に従って行うものに限る。)

7前各号に掲げる保険契約以外の保険契約で次のいずれかに該当するもの
イ 次の⑴から⑶までのいずれかに掲げる保険に係る保険契約(保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)であって、一の保険契約者に係る一の被保険者につきそれぞれ当該⑴から⑶までに定める金額を超える保険金の支払又は損害の塡補を約するもの
⑴保険業法第三条第四項第一号に掲げる保険千万円
⑵保険業法第三条第四項第二号又は第五項第二号に掲げる保険六百万円
⑶保険業法第三条第五項第一号に掲げる保険二千万円
ロ 保険期間が被保険者の終身である保険に係る保険契約

業府令第5条第3項「令第十八条第七号イに規定する内閣府令で定めるものは、第五十六条第一項第三号ロに掲げる保険契約とする。」

金融商品の販売等に関する法律施行令等の一部を改正する政令案新旧対照表より引用

【証券業務の制限範囲】
金融商品取引業の実務に最も影響する証券関連業務に関して、金融サービス仲介業者が第一種金融商品取引業者、投資運用業者又は登録金融機関に対して仲介することを禁止される、顧客に対し高度に専門的な説明を必要とする有価証券の売買等に関しては、施行令案第19条で、以下のように定義されています。

第19条 法第十一条第四項第一号に規定する政令で定めるものは、次に掲げる売買とする。
一 有価証券(次に掲げる有価証券を除く。)の売買

イ 金融商品取引法第二条第一項第一号から第三号まで又は第五号に掲げる有価証券(新株予約権付社債券を除く。)のうち、次のいずれにも該当するもの
⑴その取得勧誘(金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘をいう。以下この号において同じ。)が同項第一号に掲げる場合に該当するもの
⑵償還の方法、期限その他の条件が内閣府令で定める要件に該当するもの

⇒業府令第6条第1項
令第十九条第一項第一号イ⑵又はホ⑵に規定する内閣府令で定める要件は、次に掲げる要件の全てに該当することとする。
1 償還期限及び償還金額(確定金額に限る。)の定めがあり、かつ、償還時に額面金額の全部又は一部の償還がされない条件が付されていないこと。
2 元本の償還及び利息の支払が、払込みをする通貨と同じ通貨で行われない条件が付されていないこと。
3 指標(金利、通貨の価格、金融商品市場(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第十四項に規定する金融商品市場をいう。次節において同じ。)における相場その他の指標をいう。次号において同じ。)に係る変動により期限前償還をする条件が付されていないこと。
4 指標(金利及び金利に基づいて算出される数値を除く。)に係る変動により利息の額が変動する条件が付されていないこと。
5 元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付されていないこと。
6 金融庁長官の指定する有価証券でないこと。

⇒ 国債証券、地方債証券、特別の法律により法人の発行する債券(1項4号及び11号に掲げるものを除く。)社債に関しては、公募債であり、かつ上記1~6の条件を満たすプレーンな債券に関して、仲介可能ということになります。

ロ 金融商品取引法第二条第一項第六号、第七号又は第九号に掲げる有価証券(新株予約権証券を除く。)のうち、同条第十六項に規定する金融商品取引所又はこれに類似する取引所で外国に所在するもの(以下この号において「金融商品取引所等」という。)に上場されているもの(内閣府令で定めるものを除く。)又は金融商品取引所等が売買のため上場することを承認したもの

⇒ 特別の法律により設立された法人の発行する出資証券、協同組織金融機関の優先出資に関する法律に規定する優先出資証券、株券又は新株予約権証券に関しては、上場した者又は上場が承認されているものが仲介可能となります。

ハ 金融商品取引法第二条第一項第十号に掲げる有価証券のうち、次のいずれにも該当するもの
⑴次のいずれかに該当するもの
(i)その取得勧誘が金融商品取引法第二条第三項第一号に掲げる場合に該当するもの
(ii)金融商品取引所等に上場されているもの(内閣府令で定めるものを除く。)又は金融商品取引所等が売買のため上場することを承認したもの
⑵ 有価証券(イからリまで(イ⑴、ハ⑴、ニ⑴及びホ⑴に係る部分を除く。)に掲げる有価証券を除く。ニ⑵及びヘ⑵において同じ。)又はデリバティブ取引(金融商品取引法第二条第二十項に規定するデリバティブ取引をいう。以下この項において同じ。)(これに類するものとして内閣府令で定める取引を含む。ニ⑵及びヘ⑵において同じ。)に係る権利を信託財産とするもの(内閣府令で定める目的により信託財産とするものを除く。)でないもの

⇒投資信託受益証券に関しては公募投資信託であり、投資対象有価証券が、金融サービス仲介業の対象になる有価証券に限られている場合に対象にできます。

ニ 金融商品取引法第二条第一項第十一号に掲げる有価証券(投資証券(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十五項に規定する投資証券をいう。ニにおいて同じ。)又は外国投資証券(投資信託及び投資法人に関する法律第二百二十条第一項に規定する外国投資証券をいう。ホにおいて同じ。)で投資証券に類する証券に限る。)のうち、次のいずれにも該当するもの
⑴次のいずれかに該当するもの
(i)その取得勧誘が金融商品取引法第二条第三項第一号に掲げる場合に該当するもの
(ii)金融商品取引所等に上場されているもの(内閣府令で定めるものを除く。)又は金融商品取引所等が売買のため上場することを承認したもの

⇒業府令第6条第2項「令第十九条第一項第一号ロ、ハ⑴(i、i)ニ⑴(i、i)ヘ⑴又はチに規定する内閣府令で定めるものは、有価証券が上場されている同号ロに規定する金融商品取引所等の定める規則に基づき、当該金融商品取引所等への上場を廃止することが決定された銘柄又は上場を廃止するおそれがある銘柄として指定されている有価証券とする」

⑵有価証券又はデリバティブ取引に係る権利を投資の対象とする資産とするもの(内閣府令で定める目的により投資の対象とする資産とするものを除く。)でないもの

⇒業府令第6条4項「第十九条第一項第一号ハ⑵、ニ⑵又はヘ⑵に規定する内閣府令で定める目的は、次に掲げる目的とする。」
一 当該有価証券が投資の対象とする資産を保有した場合と同様の損益を実現する目的
二 当該有価証券の資産又は負債に係る価格変動及び金利変動により生じるリスク(為替相場の変動、市場金利の変動、経済事情の変化その他の要因による利益又は損失の増加又は減少の生じるおそれをいう。次号において同じ。)を減じる目的
三 先物外国為替取引により、当該有価証券の資産又は負債について為替相場の変動により生じるリスクを減じる目的

⇒投資法人投資証券(REIT等)に関しては、公募で上場されているものであり、さらに、その投資対象となるのが有価証券又はデリバティブ取引の場合には、証券化証券やヘッジ目的に限られている場合に金融サービス仲介業として仲介対象にできます。

ホ 金融商品取引法第二条第一項第十一号に掲げる有価証券(投資法人債券(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二十項に規定する投資法人債券をいう。ホにおいて同じ。)又は外国投資証券で投資法人債券に類する証券に限る。)のうち、次のいずれにも該当するもの
⑴ その取得勧誘が金融商品取引法第二条第三項第一号に掲げる場合に該当するもの
⑵償還の方法、期限その他の条件が内閣府令で定める要件に該当するもの

⇒上掲の業府令第6条第1項参照。

ヘ 金融商品取引法第二条第一項第十四号に掲げる有価証券のうち、次のいずれにも該当するもの
⑴ 金融商品取引所等に上場されているもの(内閣府令で定めるものを除く。)又は金融商品取引所等が売買のため上場することを承認したもの
⑵ 主として特定資産(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第一項に規定する特定資産をいう。)を信託財産とするもののうち、有価証券又はデリバティブ取引に係る権利を信託財産とするもの(内閣府令で定める目的により信託財産とするものを除く。)でないもの

⇒受益証券発行信託に関しては、上場又は上場が承認されたもので、特定資産(有価証券及び有価証券デリバティブ、不動産、不動産の賃借権、地上権、金銭債権、約束手形、金融先物取引等に係る権利、金融デリバティブ取引に係る権利、信託受益権及び匿名組合出資持分等。)を対象とする場合に仲介対象にすることが可能になります。

ト 金融商品取引法第二条第一項第十七号に掲げる有価証券のうちイ、ロ又はヘに掲げる有価証券の性質を有するもの

⇒外債、外国株等、外国受益証券発行信託に関しても、国内の有価証券と同じ条件下で、仲介対象にすることが可能。

チ 金融商品取引法第二条第一項第二十号に掲げる有価証券でイからトまでに掲げる有価証券に係る権利を表示するもののうち、金融商品取引所等に上場されているもの(内閣府令で定めるものを除く。)又は金融商品取引所等が売買のため上場することを承認したもの

⇒前掲業府令第6条2項。上場預託証券(ADR)に関しては、上場廃止予定になっていない限り、仲介可能です。

リ イからチまでに掲げる有価証券に表示されるべき権利であって、金融商品取引法第二条第二項の規定により有価証券とみなされるもの前号イからリまでに掲げる有価証券の売買のうち、デリバティブ取引、信用取引(相手方金融機関(法第三十一条第二項において読み替えて準用する金融商品取引法第三十七条の三第一項第一号に規定する相手方金融機関であって、同法第二条第九項に規定する金融商品取引業者であるものをいう。)が顧客に信用を供与して行うものをいう。)その他内閣府令で定める取引に該当するもの

二 前号イからリまでに掲げる有価証券の売買のうち、デリバティブ取引、信用取引(相手方金融機関(法第三十一条第二項において読み替えて準用する金融商品取引法第三十七条の三第一項第一号に規定する相手方金融機関であって、同法第二条第九項に規定する金融商品取引業者であるものをいう。)が顧客に信用を供与して行うものをいう。)その他内閣府令で定める取引に該当するもの

⇒信用取引・デリバティブ取引などのレバレッジ取引も同様に規制する趣旨です。

2 法第十一条第四項第二号に規定する政令で定めるものは、次掲げる取引とする。
1 前項各号に掲げる有価証券の売買
2 市場デリバティブ取引及び外国市場デリバティブ取引

⇒売買だけではなく委託の媒介も金融サービス仲介業制度の対象になりますが、法第十一条第四項第二号で、許容される委託の媒介に関して、「取引所金融商品市場又は同条第八項第三号ロに規定する外国金融商品市場における有価証券の売買又は市場デリバティブ取引若しくは外国市場デリバティブ取引(これらの取引について顧客に対し高度に専門的な説明を必要とするものとして政令で定めるものを除く。)の委託の媒介」と定義しています。今回、除外項目に、前項各号に掲げる有価証券の売買及び市場デリバティブ取引及び外国市場デリバティブ取引が入りました。

3 法第十一条第四項第三号に規定する政令で定めるものは、有価証券の募集(金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集をいう。)若しくは有価証券の売出し(金融商品取引第二条第四項に規定する有価証券の売出しをいう。)の取扱い(第一項第一号イからリまでに掲げる有価証券に係るものを除く。)又は有価証券の私募(金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の私募をいう。)若しくは特定投資家向け売付け勧誘等(金融商品取引法第二条第六項に規定する特定投資家向け売付け勧誘等をいう。)の取扱いとする。

⇒有価証券の募集もしくは売り出しの取扱いに関しては、有価証券の売買の項目で許容されている有価証券を対象とする場合のみ許容されますが、私募や特定投資家向け売付け勧誘等の取扱いは対象外となります。

4 法第十一条第四項第四号に規定する政令で定める投資顧問契約は、金融商品取引法第二条第八項第十一号に規定する投資顧問契約(有価証券の価値等(同号イに規定する有価証券の価値等をいい、第一項第一号イからリまでに掲げる有価証券に係るものを除く。)又は金融商品の価値等(同条第八項第十一号ロに規定する金融商品の価値等をいう。)の分析に基づく投資判断(同号ロに規定する投資判断をいい、前三項に該当しない取引及び取扱いに係るものを除く。次項において同じ。)に関し助言を行うものに限る。)とする。

⇒投資顧問契約に関しては、有価証券の売買の項目で許容されている有価証券を投資対象とする投資顧問取引のみ許容されるという趣旨です。

5 法第十一条第四項第四号に規定する政令で定める投資一任契約は、金融商品取引法第二条第八項第十二号ロに規定する投資一任契約(投資判断に基づき投資を行うものに限る。)とする

⇒投資判断に基づき投資を行う投資一任契約が全体的に制限対象となりました。

金融商品の販売等に関する法律施行令等の一部を改正する政令案新旧対照表より引用

【貸金業に関する制限】
貸金業に関しては顧客に対し高度に専門的な説明を必要とする資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約は、施行令案第20条で定められています。

第20条 法第十一条第五項に規定する政令で定めるものは、次に掲げる契約とする。
1 一個人である顧客との間の資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約のうち、当該顧客によりあらかじめ定められた条件に従った返済が行われることを条件として、当該顧客の請求に応じ、極度額の限度内において資金の貸付け又は手形の割引を行うことを約するもの
2 前号に掲げる契約に基づく資金の貸付け又は手形の割引に係る契約

金融商品の販売等に関する法律施行令等の一部を改正する政令案新旧対照表より引用

【電子決済等代行業務を行う要件】

金融サービスの提供に関する法律第 18 条で、情報通信技術を利用して金融サービス仲介業務(電子金融サービス仲介業務)を行う金融サービス仲介業者は、一定の要件を満たす場合、銀行法上の登録を受けることなく、電子決済等代行業を行うことができる旨の特例が設けられていいます。

この一定の要件のうち、内閣府令に委任事項になっていた「電子決済等代行業を適正かつ確実に遂行するために必要と認められる内閣府令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者」の要件に関して、業府令第21条で「純資産額(第二十四条第一号イに規定する貸借対照表若しくはこれに代わる書面又は同条第二号に規定する財産に関する調書に計上された資産の合計額から負債の合計額を控除した額をいう。)が負の値でないこととする」と債務超過ではないことが定められました。

【保証金の供託】

金融サービスの提供に関する法律第 22 条関係で、金融サービス仲介業者は保証金を供託しなければならないことなっていましたが。その供託の金額も明らかになりました。施行令26条で、初年度の供託金は1000万円、翌事業年度以降の供託金は、1000万円に加えて全事業年度の受領手数料の5%と定められており、例えば1億円の金融サービス仲介業務売上の業者であれば1500万円となります。また、保証金の一部に変わる賠償責任保険の要件も施行令案29条に明示されました。

第26条 法第二十二条第二項の政令で定める額は、次の各号に掲げる期間の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
1 事業開始の日から最初の事業年度の終了の日後三月を経過する日までの間千万円
2 各事業年度(最初の事業年度を除く。)の開始の日以後三月を経過した日(次条第一号及び第二十九条第一項第三号において「改定日」という。)から当該各事業年度終了の日後三月を経過する日までの間千万円に当該各事業年度の前事業年度の年間受領手数料(一事業年度において金融サービス(仲介業務に関して受領した手数料、報酬その他の対価を合計した金額をいう。)に百分の五を乗じた額(その額に十万円未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)を加えた額

金融商品の販売等に関する法律施行令等の一部を改正する政令案新旧対照表より引用

【誠実公正義務】

金融サービスの提供に関する法律第 24 条には、金融サービス仲介業者並びにその役員及び使用人は、顧客に対して誠実かつ公正にその業務を遂行しなければならないと定められています。これに関しては、今回の政令・内閣府令案等による大きな影響はありません。

【手数料明示義務】

金融サービスの提供に関する法律第 25 条では、金融サービス仲介業者は、顧客から求められたときは、金融サービス仲介業務に関して当該金融サービス仲介業者が受ける手数料、報酬等を明らかにしなければならないこととされており、政令・内閣府令案等でその詳細が整備されました。

【説明及び情報の適切な取り扱い】

金融サービスの提供に関する法律第 26 条では、金融サービス仲介業者は、その金融サービス仲介業務に係る重要な事項の顧客への説明、取得した顧客に関する情報の適正な取扱いその他の措置を講じなければならないこととされており、政令・内閣府令案等でその詳細が整備されました。

【預託の禁止】

金融サービスの提供に関する法律第 27 条に関しては、金融サービス仲介業に関して金融サービス仲介業者が顧客から金銭その他の財産の預託を受けること等が原則禁止されます。施行令30条で、顧客資産の預かりが禁止される金融サービス仲介業者と密接な関係を有する者が定義されています。定義が広めですので、該当するような状況が発生することがないか注意が必要です。

第30条 法第二十七条に規定する政令で定める者は、銀行、金融商品取引業者(有価証券等管理業務(金融商品取引法第二十八条第五項に規定する有価証券等管理業務をいう。)を行う者に限る。)その他内閣府令で定める者以外の者であって、次に掲げるものとする。
1 当該金融サービス仲介業者(個人である者に限る。)の親族(配偶者並びに三親等以内の血族及び姻族に限る。)
2 当該金融サービス仲介業者(法人である者に限る。次号及び第四号において同じ。)の役員(法第十三条第一項第二号に規定する役員をいい、役員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)又は使用人
3 当該金融サービス仲介業者の親法人等又は子法人等
4 当該金融サービス仲介業者の総株主等の議決権(総株主、総社員、総会員、総組合員又は総出資者の議決権をいい、株式会社にあっては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項第四号において同じ。)の百分の五十を超える議決権を保有する個人(同号において「特定個人株主」という。)(第二号に掲げる者を除く。)
5 前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者

金融商品の販売等に関する法律施行令等の一部を改正する政令案新旧対照表より引用

【規制の準用】

金融サービスの提供に関する法律第 29 条から第 32 条において、金融サービス仲介業者が行う業務の種別に応じて、それぞれ銀行法、保険業法、金融商品取引法又は貸金業法の規制を準用することされていますが、今回の政令・内閣府令案等で読み替えの詳細な規定案が整備されました。

【自主規制団体】

金融サービスの提供に関する法律第 40 条から第 50 条の認定金融サービス仲介業協会は、金融サービス仲介業者が設立した一般社団法人であって、金融サービス仲介業務の適正の確保等を目的とすること等の要件に該当すると認められるものとされています。法令遵守のための会員に対する指導等を行う者として認定することができることとするなど、認定金融サービス仲介業協会に関する規定に関しては、施行令第39条以下、今回の政令・内閣府令案等で詳細が整備されました。

自主規制団体の設立構想を巡っては、一般社団法人Fintech協会などが設立準備を進めている金融サービス仲介業協会(仮称)が存在しています。

【ADR】

金融サービスの提供に関する法律第 51 条から第 73 条では、金融サービス仲介業者に対する指定紛争解決機関に関する規定の整備内閣総理大臣による紛争解決機関の指定制度を設けるとともに、指定要件、指定に当たっての法務大臣の協議その他の所要の規定が定まっています。政令・内閣府令案等でその詳細が整備されました。

上記は公表資料をもとにした速報ですので、正確性は保証しません。今後のパブリックコメント及びそれを受けた正式な政令・内閣府令を受けて、制度や解釈の説明を変更する場合がありますのでご了承ください。最新の情勢に関しては、今後の当事務所リリース及び金融庁HPをご覧いただければと思います。

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