デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会第4回

2020/11/05

令和3年11月1日に開催された「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」第4回の議事次第が公表されました。

「本日討議いただきたい事項」1.総論では、前回のパーミッションレス型の分散型台帳等を利用した金融サービス(いわゆるDeFiなどの管理者がいないサービス)についてまとめが議論されています。

総論では「パーミッションレス型の分散型台帳等を利用した金融サービスについては、複数のレイヤーに基づき、その一部のレイヤーについてのみ中央管理者を置く形態で提供されているものがある。一方、従来の金融規制の枠組みでは、金融機関がレイヤー全体を管理する主体として存在し、規制の名宛人として管理責任を果たせる立場にあることを前提としている。複数レイヤー全体を管理する主体が存在しない場合であっても、サービスが幅広く利用されるためには、システム全体が技術・契約・制度・インセンティブ・信頼等によって規律付けられる必要があり、規制の名宛人として管理責任を果たせる立場にある者がこうした状態を実現する必要がある。」としており、抽象度が高いものの、現代の規制体系とは整合的である穏当な結論が導かれています。

もっとも、サービスの構造次第では、規制の名宛人として管理責任を果たせる立場にある者がそもそも存在するのか、どこのレイヤーにも有意義な名宛人を想定できないサービスも存在しうるのではないかという問題もありそうに思えます。

しかし、名宛人が存在せず又は特定しにくいものをどう制御するかは、おそらく抽象的な議論では限界があり、個別サービスを踏まえて、具体的に決定していく必要がある事柄なのだと思います。

そうした意味では、今回の研究会の結論はある意味で妥当ながら歯切れの悪いものであり、ここまでの議論をもとにして、具体的なパーミッションレス型の分散型台帳等を利用した金融サービスの統一的な規制体系を業態横断的に再構築できるかというと、まだそこまでの具体的な議論には至っていない感じがします。

総論では、以下の3点を示すとともに、「金融分野において、新しい技術の活用に適切に対応していくためには、規制当局と技術者コミュニティを含む関係者間で対話を行い、求められる機能・水準の共有等に取り組んでいくことが必要と考えられる」と結論しています。

  • 金融サービスに活用されるシステムに関して、技術中立という観点に配意しつつ、当局が、求められる機能・水準を示すことが重要
  • 第三者がシステムの信頼性のチェック結果を公表するなど、各ステークホルダーが適切に行動するようなインセンティブ付けが重要
  • 技術の進歩に伴いリスクも変化していくため、当局が必要な水準をアップデートするとともに、サービス提供者に対して継続的に水準を満たし続ける責任を求めていくことも必要

突き詰めるところ、パーミッションレス型の分散型台帳等を利用した金融サービスは、具体的、動的かつ場合によっては間接的に規制していくほかないということなのかもしれません。

続いて、ステーブルコインが議論されています。議論では、デジタルマネー類似型と暗号資産型のステーブルコインにつき「経済社会において果たし得る機能、法的に保護されるべき利益、金融規制・監督上の課題が異なると考えられる。そのため必要な制度対応等については、両者を区分して検討することが適当」であるとしており、現在の規制枠組みが維持される方向が示されたことが注目されます。

また、「同じビジネス、同じリスクには同じルールを適用する(same business, samerisk, same rule)」との考え方に基づき、「デジタルマネー類似型」のステーブルコインは、ステーブルコインに議論を限定するのではなく、既存のデジタルマネーもあわせて規制枠組みを構築する方向も併せて示されています。

そして「デジタルマネー類似型」に関しては、「発行者」と「移転・管理を行う者」が分離する場合、「発行者」及び「仲介者」に求められる規律、「発行者」と「仲介者」の関係等に関する規律について論点とされており、いわゆるグローバル・ステーブルコイン等に関する規律に関しても言及されています。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)についても、論点として取り上げられました。

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