NFTトークンと暗号資産交換業

2021/06/18

コインチェックは、関連子会社が発行するNFT特化ブロックチェーンPaletteのユーティリティトークン「PLT」今夏にをIEOすると報じられています。

また、令和3年6月16日にはGMOインターネットグループが、NFTの事業会社「GMOアダム」を設立したと発表しています。

今年に入って、主にERC721を利用したNFTトークンがブロックチェーン関連ビジネスの新たな分野として急速に盛り上がっています。

当事務所でも、NFTと暗号資産交換業の関係を質問される機会が増えています。NFTトークンはブロックチェーンゲームでのアイテムと同様、基本的に暗号資産に該当せず、無登録で販売できるという主張が聞かれますが、必ずしも正確ではありません。

そうした意見は、令和元年9月3日金融庁「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果について」P2 No4で、「2号暗号資産について1号暗号資産と「同等の経済的機能を有するか」との基準を設けるべきではない。同等の経済的機能とならないような制限を加えることで、資金決済法に基づく規制の対象外になりかねない。」との意見に対して、物品等の購入に直接利用できない又は法定通貨との交換ができないものであっても、1号仮想通貨と相互に交換できるもので、1号仮想通貨を介することにより決済手段等の経済的機能を有するものについては、1号仮想通貨と同様に決済手段等としての規制が必要と考えられるため、2号仮想通貨として資金決済法上の仮想通貨の範囲に含めて考えられたものです。したがって、例えば、ブロックチェーンに記録されたトレーディングカードやゲーム内アイテム等は、1号仮想通貨と相互に交換できる場合であっても、基本的には1号仮想通貨のような決済手段等の経済的機能を有していないと考えられますので、2号仮想通貨には該当しないと考えられます」と回答していること等を論拠としています。

しかし、同じパブリックコメントP1 No1で「いわゆる Dapps がERC721 形式でゲーム内での固有トークンを発行することに対して、何か法的な規制はあるか。国内外の事業者が Dappsを開発し、日本国内でサービスを展開するにあたり、法整備を進めて頂きたい。」との質問に、金融庁は「資金決済法第2条第5項に規定する仮想通貨の該当性については、法令に基づき、実態に即して個別具体的に判断されるべきものと考えております。ご指摘のトークンが仮想通貨に該当し、その売買等を業として行う場合には、仮想通貨交換業者としての登録を要し、法令に基づく必要な規制を遵守する必要があります。」と回答しており、事実上NFTの暗号資産該当性に関して正面から回答していません。

つまり、NTFも決済手段等の経済的機能を有するならば、暗号資産に該当し、その売買、交換、預かり等は暗号資産交換業の登録を要することになります。また、収益分配性がある場合には、集団投資スキーム持分かつ「電子記録移転権利」に該当するものとして、自己募集には第二種金融商品取引業、取扱いには第一種金融商品取引業の登録が必要になります。

令和3年4月26日に、日本暗号資産ビジネス協会が、NFTビジネスに関するガイドラインを発表しており、これが現時点でもっとも的確に論点を整理していると思います。

さらに、これらをクリアして、暗号資産に該当せず、また他の業法に基づく許認可登録も要しないNFTであると整理できたとして、その取引の提供方法についても検討を要します。NFTは、通常、イーサリアム等の暗号資産(独自トークン含む)で購入する形になっており、法定通貨建ての決済は一般的ではありません。

自ら発行するNFTを募集する場合には問題がありません。しかし、二次流通のためにNFT取引所を作る場合には注意を要します。

ユーザーに口座開設をさせて、これらの決済用の暗号資産に関して預かりを行うのが先行する暗号資産交換業者が運営するNFT取引所では一般的ですが、暗号資産の預かりは暗号資産交換業に該当します。よって、暗号資産交換業登録がない事業者は、口座開設を伴う取引所を開設することができません。

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