適格機関投資家等特例業務届出者に対する処分

2020/11/20

関東財務局は、11月16日付で、適格機関投資家等特例業務を行う某社に対して、業務改善命令を行いました。

同リリースの中で、関東財務局は、投資者保護上問題のある業務運営として、以下の3点を指摘しています(一部伏字加工)。

(1) ファンドの運用財産と自己の固有財産の分別管理を行っていない状況
当社は、遅くとも平成27年以降、●●ファンド及び●●ファンドの運用財産のうち金銭については、当社名義の預金口座にて一括管理することとしており、当該金銭であることがその名義により明らかな預金口座で管理していない。

(2) 運用報告書の未作成
当社は、平成24年に運用報告書を作成し、出資者に交付しているものの、平成27年改正法の施行日以降において、本件3ファンドに係る運用報告書を作成していない。

(3) 運用財産に重大な影響を与える事項を報告していない状況
当社は、●●の出資金の大半を投資していた甲投資事業有限責任組合と連絡が取れない状況になり、令和2年9月30日時点においても、出資金の回収のめどは立っていない。
しかしながら、当社は、同時点においても、当該状況について、出資者への報告を行っていない。

内容的に判断して、これは、平成27年の金融商品取引法の改正に伴い一般投資家への勧誘が禁止される以前の、適用される規制が比較的緩やかだったころに組成・販売したファンドだと思われます。今回、行政処分の理由として挙げられている分別管理義務や、運用報告書の作成義務は、平成27年改正金融商品取引法の施行日以降において、既存の適格機関投資家等特例業務届出者の運用するファンドにも適用されるようになった行為規制です。

施行日以前のことは法令違反に問えないものの、平成27年改正金融商品取引法では、同日以降の分別管理義務違反や、運用報告書の未作成に関しては、施行日以前に組成・私募されたファンドに関しても、施行日以降のこれら行為に関しては法令違反に問うことが可能になっていますので、今回はそれを理由に行政処分したものと思われます。

しかし、当局も随分前のことに関して行政処分を出してきたな、という感じがあります。つい最近になって事態が問題化したのか、それともファンドの清算過程において、何らかのトラブルがあったのか、具体的な事情はわかりません。しかし、適格機関投資家等特例業務届出者に対する形式的な理由ではない行政処分自体が、このところかなり珍しいので、印象に残ります。

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