行政書士トーラス総合法務事務所トーラス・フィナンシャルコンサルティング株式会社

少額電子募集取扱業務

第一種少額電子募集取扱業務及び第二種少額電子募集取扱業務

このページの目次
少額電子募集取扱業者の規制と登録:少額電子募集取扱業務第一種と第二種の分類日本証券業協会規則第二種少額電子募集取扱業者は存在しない第一種少額電子募集取扱業者の登録

少額電子募集取扱業者の規制と登録

少額電子募集取扱業務

少額電子募集取扱業務は、金融商品取引法の平成26年改正で創設された、本来は第一種金融商品取引業者及び第二種金融商品取引業者が行う電子申込型電子募集取扱業務に関する、例外的な規制緩和制度です。

平成27年5月29日付けで施行された改正金融商品取引法において規定された電子募集取扱業務とは、他者が新たに発行する有価証券を、インターネット等で電磁的に取得勧誘を行うことです。

そして、電子申込型電子募集取扱業務とは、電子募集取扱業務のうち、金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の2第3項第1号、第2号及び第3号に掲げる方法により顧客に有価証券の取得の申込みをさせる業務をいいます。

同第1号は、ウェブサイト等を閲覧させることにより投資家から申し込みを受け付ける方法、同第2号は、同第1号によりウェブサイト等を閲覧させた後にメール等の通信により申し込みを受け付ける方法、同3号はどう第1号の勧誘の際に求めに応じて電話等で説明する方法です。第2号では「音声の送受信による通話を伴う場合を除く」とあります。

そして、専ら金額的に少額である一定の電子申込型電子募集取扱業務、すなわち「少額電子募集取扱業務」を行うものは、本来、第一種金融商品取引業に該当するものや、第二種金融商品取引業に該当するものであっても、本来求められる金融商品取引業登録よりも、低いハードルの下で登録を受けることができるようになっています。

少額要件は、金融商品取引法施行令第15条の10の3に定められています。

① 株式等の発行価額の総額:5億円未満
② 取得者(特定投資家を除く)1社/人あたりの払込額は、純資産5%、収入金額5% 又は50万円の内、いずれか高い額であり、200万円を上限とします。

(発行価額の総額及び有価証券を取得する者が払い込む額が少額である有価証券の募集の取扱い等)
第十五条の十の三 法第二十九条の四の二第九項及び第二十九条の四の三第三項に規定する政令で定める要件は、次に掲げるものとする。
一 発行価額の総額として内閣府令で定める方法により算定される額が五億円未満であること。
二 取得する者(特定投資家を除く。)が払い込む額として内閣府令で定める方法により算定される額が二百万円を超えない範囲内において当該者の財産の状況に応じ内閣府令で定める額以下であること。

金融商品取引法施行令

第一種と第二種の分類

第一種少額電子募集取扱業務と、第二種少額電子募集取扱業務に分かれていますが、難しく考える実益はあまりありません。第一種少額電子募集取扱業務は、すなわち「株式投資型クラウドファンディング」、第二種少額電子募集取扱業務は、「存在しない」が実務です。

第一種少額電子募集取扱業務は、少額要件に該当する電子募集取扱業務又は当該業務に関して顧客から金銭の預託を受ける行為をいい(金融商品取引法第29条の4の2第8・9項)ます。当該業務のみを行う場合、第一種少額電子募集取扱業者として、通常の第一種金融商品取引業者よりも登録要件が緩和されます。

第一種少額電子募集取扱業務を行う場合には、日本証券業協会に特定業務会員として加入することが事実上必須であり、日本証券業協会の「株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則」に沿って業務を行うことになりますので、同規則は事業者にとって法令同様の拘束性があります。

日本証券業協会規則

未上場株式の一般投資家への販売は、日本証券業協会の店頭有価証券に関する規則において原則禁止になっています。そのため、例外のひとつである株式投資型クラウドファンディングは、未上場株式を一般投資家に販売するうえで、有力な手法のひとつになっており、実際に令和7年9月末現在で4社が存在します。

なお、同じく未上場株式を販売できる制度のひとつに、株主コミュニティ制度がありますが、日本証券業協会は、自らが運営会員となっている株主コミュニティ銘柄の募集、私募、売出し若しくは私売出しの取扱い又は売出し若しくは私売出しを行っている間は、当該株主コミュニティ銘柄について、株式投資型クラウドファンディング業務を行ってはならないとして、手法の併用を禁止しています。

また、日本証券業協会規則では、勧誘手法併用の禁止も定められています。株式投資型クラウドファンディングでは、電子申込型電子募集取扱業務以外の方法により、株式投資型クラウドファンディング業務に係る投資勧誘を行ってはならないとされています。これは、第二種金融商品取引業として行われる投資型クラウドファンディングと同様の規制です。

もっとも、「第一種・第二種少額電子募集取扱業者は、電子募集取扱業務に該当しない金商法第2条第8項第9号に掲げる行為を行うことはできないため、法律上、電話や対面による勧誘を行うことはでき」ない(平成27年5月12日コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方 P7 No.30)。とされており、そもそも第一種少額電子募集取扱業者は、協会規則を待たず、電子申込型電子募集取扱業務以外の勧誘が禁止されています。

よって、本協会規則により、第一種金融商品取引業者である証券会社が株式投資型クラウドファンディングを行う場合であっても、同様に電話や対面による勧誘を行うことはできなくなっています。

なお、同パブコメでは「なお、投資者が申込みを電話や対面で行うことを希望される可能性もあることから、電話や対面による取得の申込みは禁止しておりません。」と補足がなされています。

第二種少額電子募集取扱業者は存在しない

また、第二種少額電子募集取扱業務を行う事業者は、令和7年現在で存在しません。制度施行から10年あまり経っても存在しないので、これからも出現しない可能性が高いでしょう。

第二種少額電子募集取扱業者の登録要件のうち、資本金要件については、本来の第二種金融商品取引業者に求められる1000万円から500万円へと緩和されており、個人の場合に求められる営業保証金額も、同様に500万円に緩和されているものの、それ以外のめぼしい要件緩和はありません。

その割には、第二種少額電子募集取扱業務では、募集に際しての金額の少額要件に厳しく手足を縛られるため、事業者にとってメリットに乏しい制度だからです。

第一種少額電子募集取扱業者の登録

第一種少額電子募集取扱業者の登録にあたっての、最低資本金額及び純資産金額は1,000万円となります。第一種金融商品取引業者は、それぞれ5,000万円ですので、金額的には大幅に低いハードルとなります。

なお、第一種少額電子募集取扱業者以外の、より高度な資本規制がある業種(例えば預かりを伴う投資運用業)を同時に登録を受ける場合には、当然ながらより高い資本規制(上記の預かりを伴う投資運用業の場合5000万円)が適用されます(平成27年5月12日コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方 P4 No.15,No.15)。

第一種少額電子募集取扱業者に対しては、業規制も緩和されており、金融商品取引責任準備金の積立義務・自己資本規制比率の一定比率の維持義務・投資者保護基金加入義務、兼業規制が適用されません。また、登録標識掲示義務も通常の金融商品取引業者と異なる扱いです。ただし、前述のように、日本証券業協会への加入は必要になります。

なお、第一種少額電子募集取扱業者が投資者保護基金に加入していない場合には、代償措置として、当該業者のウェブサイト上において、投資者保護基金に加入していない旨に加えて顧客が当該第一種少額電子募集取扱業者に対して有する債権が補償対象債権に該当しないことを表示する必要があります。

弊所では、制度施行の初期から現在に至るまで、複数の第一種少額電子募集取扱業者様の支援実績がございますので、参入のご検討にあたりご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください

お電話無料相談窓口 03-6434-7184 受付時間 : 9:00 -17:00  営業曜日 : 月〜金(除祝日)
メール無料相談窓口メールでのご相談はこちらをクリック