カードローンやキャッシング、また、税金や国民年金保険料など、返済日・支払日までにお金を用意できずに滞納が生じると、「督促状」「催告書」という郵便物の送付によって取り立てが行われることになります。
督促状と催告書の違いは緊急度の差。比較的滞納期間が短い段階で郵送される「督促状」とは異なり、延滞期間が長期化して深刻な滞納問題を抱えている債務者に送付される「催告書」を受け取った場合にはできるだけ早期に延滞解消に向けて動き出さなければいけません。
なぜなら、督促状だけではなく催告書も無視することになると、残債の一括請求・強制執行という厳しい滞納ペナルティが発生するからです。
督促状・催告書を受け取った債務者が最初にするべきことは”債権者への連絡”。お金を払えるか用意できないかにかかわらず、すみやかに連絡をとって今後の返済方法について話し合いの場を設けましょう。
そして、どうしても自力では返済資金を用意できない場合・今後完済まで返済をつづけるのが難しいという場合には、弁護士・司法書士に債務整理を相談してください。消費者金融などのお金のトラブルはほとんどのケースで改善できるので、滞納ペナルティが深刻になるのを防げるでしょう(税金・国民年金保険料は債務整理の対象外。こちらについても適切な解決法があるので専門家までご相談ください)。
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督促状と催告書の違いは緊急度の差
督促状と催告書はどちらも債権者から送付される取り立て書面のこと。分かりやすい違いとして、滞納初期に送付されるのが”督促状”・延滞期間が長期化したタイミングで届くのが”催告書”という点が挙げられます。
つまり、督促状・催告書のどちらを受け取ったかによって、借金問題の深刻レベルを判断することが可能です。
そこで、まずは督促状・催告書それぞれの内容や両者の違いについて詳しく見ていきましょう。
督促状とは滞納初期に送付される請求書
督促状とは、滞納初期段階で送付される郵便物のこと。一般的には、約定返済日から数日経過後~1ヶ月以内に手元に届くという運用がとられます。たとえば、「初回の督促状で滞納分の支払い期限が2週間後に指定され、2週間後の返済期限経過後にもう一度督促状が送付される」というイメージです。
督促状は普通郵便の形式で郵便ポストに投函されるのがほとんどです。貸金業者によって記載内容に違いはありますが、概ね次のような内容が記載されています。
- 宛先
- 今までの請求履歴(日付など)
- 請求金額(滞納額 + 遅延損害金)
- 支払い期限・支払い方法
- 滞納している事実の指摘
- 再指定された支払い期限までの返済を促す文面
督促状の文面は比較的柔らかい文言で記載されていることが多いです。また、延滞期間が短い段階なので遅延損害金の発生額も比較的低額に抑えられているため、督促状を受け取った段階ならまだ自力完済の可能性を模索することはできるでしょう。
催告書とは延滞が深刻な状態で郵送される内容証明郵便
催告書とは、督促状を送付した後に郵送される取り立て書面のこと。督促状を送付したにもかかわらず連絡がない場合、滞納額の支払いがない場合、連絡は取れるものの自主的な返済が期待できない場合など、滞納状態が深刻な債務者に対して送付されます。実務的には、滞納期間1ヶ月~2ヶ月経過段階、督促状を2回~4回郵送した後で催告書に切り替えられるイメージです。
催告書では、債務者にとって厳しい内容が記載されていることが多いです。「期限の利益を喪失したので残債を一括請求します」「財産の差し押さえなどの法的手段を講じる予定です」などの予告がされることもあるので、借金問題の緊急レベルが高いと考えられます(催告書自体に何かしらの法的強制力があるわけではありません)。
また、以下の内容が記載される催告書は内容証明郵便の形式で郵送されることが多いです。内容証明郵便とは、確定日付入りの特殊郵送方式のことで、差出人である債権者が控えを利用して取り立て行為の証明に活用できます。つまり、将来的な法的措置の準備段階に入ったと判断できるので要注意です。
- 宛先
- 表題(厳しい文言)
- 請求額(約定返済日を数度徒過しているので、複数回分の元本と遅延損害金が項目ごとに記載)
- 支払い期限・支払い方法
- 連絡先(債権回収会社や保証会社の可能性もある)
- 警告文(期限までに支払いがない場合には法的措置等を実施する旨)
催告書で法的措置を予告している場合にはすみやかに返済資金を用意するか債務整理に踏み出す必要があります。なぜなら、催告書を無視すると、債権者はかならず強制執行に踏み出すからです。
後述のように、強制執行が実行されると今まで通りの生活を送ることが難しくなり、場合によっては職場への迷惑や転居を強いられるリスクも発生します。
催告書が届いた段階は極めて危険な状態ですが、逆に言えば、「法的措置が予告されているだけなので今対処法に踏み出せば最悪の事態は免れられる」ということを意味します。自力での対処が難しい問題に真正面から向き合うには覚悟が必要ですが、これからの人生のために勇気を出して前に進み出しましょう。
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督促状と催告書の違いを分かりやすく整理
ここまでの内容を踏まえて、督促状と催告書の違いをわかりやすく整理しておきます。
繰り返しになりますが、催告書を受け取った債務者は残債の一括請求・強制執行まで時間がないので早期に対策に踏み出さなければいけません。また、督促状を受け取った債務者も今の状態がつづくと近い将来催告書が届いて危機的な立場に置かれるのは間違いないので延滞期間が浅い今のうちに借金問題解決に向けて動き出すのが得策です。
| 違い | 督促状 | 催告書 |
|---|---|---|
| 届く時期の違い | 延滞期間が短い段階 (滞納数日~1ヶ月程度) |
延滞期間が長期の段階 (滞納2ヶ月程度以降) |
| 郵送方式の違い | 普通郵便 | 内容証明郵便 |
| 法的措置の予告の有無 | なし | あり |
| 記載内容の違い | ・柔らかい文言 ・滞納解消のお願い ・行き違い入金への配慮など |
・厳しい文言や表題 ・残債の一括請求をされるケースあり ・支払いを急ぐように促す |
督促状・催告書を無視すると生じる7つのペナルティ
督促状・催告書の送付という方式での債権者からの取り立てを無視するのは危険です。
なぜなら、郵送による取り立てを無視することによって、次の7つのペナルティが発生するからです。
- 督促状・催告書以外の方法で債権者からの取り立てが繰り返される
- 遅延損害金が発生する
- 信用情報にキズがつく
- 残債を一括請求される
- 法的措置によって裁判所から通知が届く
- 強制執行によって財産・給与が差し押さえられる
- 家族に借金問題がバレる
それでは、督促状・催告書を無視することによって生じる7つのペナルティについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①督促状・催告書以外の方法で債権者からの取り立てが繰り返される
債権者によって実施される取り立て行為は、督促状・催告書の送付という「郵便物での督促」だけではありません。たとえば、次の方法で取り立てが行われる可能性も十分あるので、返済が滞っている債務者は心構えが必要です。
- 携帯電話への着信
- 自宅の固定電話への問い合わせ
- 職場への問い合わせ
- 自宅・職場・その他の場所への訪問行為
契約書に記載された携帯電話への着信は主流な取り立て方法です(①)。原則として朝8時~夜21時の間に問い合わせが行われます。ただし、例外的に、債務者がこの時間帯以外を指定した場合・何度連絡しても折り返しがない場合には、夜21時~朝8時の間に問い合わせが実施される可能性があります(貸金業法第21条1項1号・2号)。嫌な時間帯に連絡されたくないのなら、債権者からの着信には誠実に対応しましょう。
これに対して、②~④については注意が必要です。債務者のなかには、「自宅訪問や職場に電話連絡するなんて酷い」と感じる人もいるでしょう。しかし、契約に基づいてお金を借りた以上は借金を返済する義務が課されています。そして、債務者が自主的に返済をしない以上、債権者としてはお金を回収するために取り立てを実施せざるを得ません。
ただ、どのような取り立て行為も実施できるとなると債務者の生活が脅かされるおそれが生じます。そこで、債権者が②~④の取り立てを実施できるのは、「債務者が音信不通・まったく返済する意思がみられないなどの”正当な理由”がある場合」に限定されます。
したがって、自宅訪問や職場への問い合わせを回避したいのなら、督促状・催告書が届いた段階で自主的に債権者に連絡をしたり、携帯電話への着信にすみやかに折り返したりするなど、真摯な対応をすることをおすすめします。
②遅延損害金が発生する
督促状・催告書を無視すると、遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、約定返済日にお金を用意できない債務者に科される罰金のこと。たとえば、消費者金融などのカードローンを滞納した場合には【借金残債総額 × 遅延損害金年利率(年利率20%) ÷ 365日 × 延滞日数】の計算式で求められます。
つまり、遅延損害金とは延滞1日単位で発生し、残債全額をベースに算出され、利息条件よりも厳しい年利率条件を課されるものなので、滞納におちいった債務者をさらに厳しい返済状態に追い込むものです(これに対して、住宅ローンなどでは滞納額をベースに遅延損害金を算出するのがほとんど。滞納している借金の契約書をご確認ください)。
督促状・催告書を無視していたずらに延滞期間が伸びるほど完済は難しくなります。早期に解決に向けて動き出せば遅延損害金の発生を軽減できるので、すみやかに債務整理等の対処法に踏み出してください。
③信用情報にキズがつく
督促状・催告書を無視したまま延滞期間が2ヶ月~3ヶ月に及ぶと、信用情報機関に金融事故情報(異動情報)が登録されてブラックリスト入りします。
信用情報機関とは、債務者の信用情報(年収・勤続年数・借り入れ状況・返済履歴など)を総合的に管理する団体のこと。日本には、全国銀行個人信用情報センター(KSC)・株式会社日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)の3社が存在しています。
基本的に、すべての金融機関(消費者金融・銀行・カード会社等)は最低1社の信用情報機関に加盟をしてユーザー・申し込み者の信用情報を随時チェックしているので、ブラックリストに登録された債務者には次のようなデメリットが発生します。
- 現在使用中のクレジットカードが使用不可になる(ETCカードも)
- 新規のクレジット発行・ローン審査に通らない
- 奨学金の連帯保証人になれない
- 携帯電話端末代金の分割払いができない
- 賃貸物件の入居審査に通りにくい(信販系保証会社付きの物件のみ)
督促状が送付される段階の延滞期間が短い債務者なら、今の段階で債権者に連絡をして滞納分の返済資金を用意すればブラックリスト登録を避けられます。もし、返済資金を用意できないことが明らかならば、今の段階で公共料金などの支払い方法をカード決済から別の方法に変更しておく、転居を控えているのならブラックリスト登録をされる前に賃貸物件の契約を済ませておくのがおすすめです。
これに対して、催告書が送付されるほど深刻な延滞状況におちいっている債務者はすでにブラックリストに登録されている可能性が高いでしょう。つまり、上述の日常生活への弊害を避けることはできないということです。
このように、ブラックリストに登録済み・登録を避けることができない状況なら、債務整理に踏み出して返済状況の改善を目指すべき。なぜなら、これ以上督促状・催告書による取り立てを無視しつづけると、強制執行のリスクが高まるからです。すみやかに弁護士・司法書士までご相談ください。
④残債を一括請求される
督促状・催告書による取り立てを無視したまま約2ヶ月~3ヶ月が経過すると、滞納分だけではなく借金残債全額の一括返済を求められます。残債の一括請求をされると、原則として分割払いは一切認められません(例外的に、債務整理を利用した場合だけは分割払いへの切り替えが可能です)。
残債を一括請求される理由は、債務者が「期限の利益」を喪失したからです。「期限の利益」とは、債務者が分割払いの方法で借金完済を目指せる権利のこと。「期限の利益があるから分割払いできる」「期限の利益がなくなるから分割払いできない」という関係の法律用語です。
そして、延滞状況が長期間に及ぶ債務者に対しては、「期限の利益を喪失する」というペナルティが課されると契約書に記載されているのが一般的です。これによって、残債の一括請求に応じる義務が発生します。
毎月の分割返済さえ難しい債務者が借金残債全額の返済に応じるのは不可能に近いでしょう。この後は強制執行に向けた手続きが待っているだけなので、残債を一括請求された段階でかならず弁護士・司法書士に相談をして強制執行を回避に向けて動き出す必要があります。
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⑤法的措置によって裁判所から通知が届く
督促状・催告書を無視したまま約3ヶ月以上が経過すると、債権者が裁判所に法的措置を申し立てて強制執行に向けた準備段階に入ります。
債権者が実施する法的措置は次の2つのどちらかです。消費者金融などの借り入れを滞納したケースでは支払督促が申し立てられるのが一般的ですが、権利関係が複雑であったり法的トラブル発生要因が存在したりする場合には通常裁判手続きが進められる可能性もあります(支払督促で異議申し立てを出した場合にも通常裁判に移行します)。
- 支払督促:借金滞納問題に特化した法的手続き。2週間以内の異議申し立てを要する。
- 通常裁判:簡易裁判所・地方裁判所から通知が届く。法廷への出廷・答弁書の提出を要する。
債権者が法的措置に踏み出した場合、裁判所から通知が届きます(支払督促or訴状)。これを無視するとかならず強制執行が実行するので、絶対に無視してはいけません。債務整理を利用すれば強制執行を回避できるので、裁判所から通知が届いた段階で自力完済が難しいなら、すみやかに弁護士・司法書士までご相談ください。
⑥強制執行によって財産・給与が差し押さえられる
督促状・催告書・裁判所からの通知を無視すると、最終的には財産・給与の差し押さえという方法で、強制的にモノで借金の返済をしなければいけません。
強制執行の対象になるモノは次の通りです。何が差し押さえられるかは債権者が決めることなので、原則として債務者側から「〇〇は差し押さえられたくない」という希望を出すことはできません。
| 差し押さえの対象 | 生じるリスク |
|---|---|
| 給与 | ・手取り給料額44万円以下:手取り額の1/4が給与から天引き ・手取り給料額44万円超:33万円超の金額が全額天引き ・会社が差し押さえ手続きに巻き込まれるので迷惑がかかる ・借金が原因で解雇されることはないが社会的信用は失墜する |
| 預貯金口座 | ・債権者が特定した預貯金口座の残高が全額差し押さえられる ・残高不足が原因で公共料金や家賃の支払いを滞納するリスクあり ・口座が凍結するリスクあり |
| 債務者名義の財産 | ・マイホームや自動車などの高額資産は原則として処分対象 ・不動産だけではなく動産も差し押さえられる(差押禁止財産以外) ・家族への迷惑を避けられない |
たとえば、給与が差し押さえられると、債権者からの請求額を完済するまで手取り給与額の1/4を差し押さえられた状態がつづきます。従前の返済生活よりも厳しい家計収支に追い込まれるのは明らかです。
また、マイホームが処分されると転居を強いられますし、ブラックリストに登録された状態では希望通りの賃貸物件への入居も叶わないリスクも生じます。場合によっては、親の借金が原因で子どもが転校することにもなりかねません。
このように、強制執行は債務者に科される最大のペナルティ。「モノで返済できるなら別に問題ないか」と安易に受け入れるべきものではありません。債務整理を利用すれば強制執行回避と返済状況の立て直しが実現するので、すみやかに専門家にアドバイスを求めましょう。
税金・住民税の滞納は短期間で強制執行が実行されるリスクあり
借金滞納とは違って、税金・住民税・国民年金保険料の滞納が原因で督促状・催告書を受け取っている債務者は要注意です。なぜなら、税金等の滞納では強制執行(滞納処分)が実行されるまでのスピードがはやいからです。
カードローンや奨学金、住宅ローンなどを滞納した場合、強制執行が実行される前に、かならず支払督促・通常裁判という法的措置の段階が踏まれます。なぜなら、債権者に強制執行する権利があることを法的に明確にする必要があるからです(「債務名義を獲得する」と呼ばれるものです)。
これに対して、税金・住民税・国民年金保険料については、原則としてすべての国民に支払い義務が課されていることが明白です。つまり、わざわざ裁判手続きで債務名義を取得する必要がありません。
したがって、税金などを滞納した場合には、督促状・催告書が送付されてから一定期間が経過するといつ滞納処分が実行されるか分からない状況に追い込まれるということ。滞納処分を回避するためには、行政側と交渉をして分割払い・支払い期限の猶予などを認めてもらうしかありません。すでに督促状・催告書を受け取っている以上、滞納処分は目前に迫っていると考えられるので、すみやかにお住まいの自治体の窓口までご相談ください。
⑦家族に借金問題がバレる
「家族に隠れて借金問題を抱えてしまった」「借金問題を家族にバレずに解決したい」という方は、督促状・催告書を無視してはいけません。なぜなら、督促状・催告書を無視しつづけると借金問題が家族にバレる可能性が高まるからです。
借金問題が家族にバレるタイミングとしてよくあるパターンは次のような状況です。
- 督促状が郵便ポストに入っているのを見られる
- 内容証明郵便形式で届く催告書を家族が受け取る
- 固定電話への問い合わせ・自宅訪問がきっかけで借金がバレる
- 裁判所からの特別送達郵便を見られる
- 借金返済が原因で家計がひっ迫、生活費不足でお金の使途を疑われる
- 強制執行で財産等が取り上げられて長期延滞がバレる
- クレジットカードが使えないなどブラックリストの弊害が生じてバレる
たとえば、後述の任意整理を利用すれば家族にバレる可能性を最小限に抑えながら借金問題の改善を狙えます。また、家族に借金のことを正直に話せば、預貯金などを利用して自力完済を目指す協力をしてくれるなど、活路が拓けることもあるでしょう。
いずれにしても、督促状・催告書を無視しても良いことはひとつもありません。弁護士・司法書士に相談をすれば債務者の希望に沿った形で生活再建に有効な手段を提案してくれるので、これ以上借金問題が深刻化する前にアドバイスを求めましょう。
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督促状・催告書を受け取ったときの対処法は4つ
督促状・催告書を受け取った債務者はすでに滞納ペナルティを強いられており、かつ、今後もリスクが高まりつづける危険な状態に置かれています。
そこで、督促状・催告書を受け取った債務者は、滞納日数がどのような状況であったとしても、次の4つの選択肢から自分に適した対処法を実践することをおすすめします。
- すみやかに債権者に連絡をする
- 指定された期限までに返済資金を用意する
- 分割払い・期限の猶予を交渉する
- 弁護士・司法書士に債務整理を依頼する
それでは、督促状・催告書を受け取った債務者に与えられた4つの選択肢について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①すみやかに債権者に連絡をする
督促状と催告書を受け取ったときに最初にするべきことは債権者への連絡です。お金を用意できるか否かにかかわらず、かならず連絡をしてください。
債権者への連絡が不可欠な理由は次の2点です。
- 返済の意思があることを示して法的措置が実施されるまでの時間稼ぎをする
- 債権者の取り立て方法が厳しくなる「正当な理由」を与えないようにする
督促状・催告書を受け取ったにもかかわらず一切返答がない状況では、「支払う意思のない悪質な債務者」のレッテルを貼られてしまいます。これでは、自宅訪問などの厳しい取り立てが実施されて家族・職場に迷惑がかかってしまうでしょう。
また、返済の意思がない債務者に対して債権者は容赦なく法的措置を実施します。強制執行までの時間稼ぎができれば、返済資金の調達や債務整理の準備にゆっくり時間をかけられるはずです。
したがって、督促状・催告書を受け取った場合には、すみやかに書面に記載された連絡先まで問い合わせを行い、滞納している旨を丁寧に詫び、今後の返済方法などについて話し合いの場を設けましょう。
期限が過ぎたときもかならず債権者に連絡をする
督促状・催告書には滞納分の支払い期限がかならず記載されています。債務者のなかには、書面の内容を確認するのが遅れて支払い期限を過ぎてしまっているということもあるはずです。
ただ、支払い期限が過ぎたときでも、債権者に連絡することには意味があります。所在不明ではないことが明らかになるので、法的措置に向けた事務処理のタイミングを遅らせることができるでしょう。
ただし、再度指定された支払い期限を過ぎている時点で債権者からの印象は悪くなっています。連絡できなかった理由について丁寧な説明が求められるので、何かしらの口実を考えておきましょう。
滞納期間が5年以上なら消滅時効の完成を意識しよう
大手消費者金融や銀行などの金融機関は顧客の返済状況を随時チェックしていますが、中小の街金などのなかには返済管理がいい加減なため、滞納期間が何年にも及んでいるケースが発生します。
そして、5年以上滞納期間が継続している債務者のなかには消滅時効の援用によって借金問題を解決できる場合があります。
消滅時効とは、約定返済日から5年以上が経過した場合に、借金の返済義務が消滅するという法制度のこと。債務整理などを利用しなくても借金問題を解決できるので、債務者は何のデメリットも負担することなく日常生活を取り戻すことができます。
ただし、消滅時効を援用するためには、次の3つの注意点を踏まえなければいけません。債務者だけの判断で援用手続きを進めようとすると、場合によっては消滅時効制度自体を利用できなくなるリスクが発生するので、かならず弁護士・司法書士までご相談ください。
- 債権者が法的措置に踏み出すと消滅時効を主張できない(完成猶予)
- 債務者が債務の存在を承認すると消滅時効を主張できない(更新)
- 内容証明郵便で援用手続きを実施しないと消滅時効の援用を証明できない
②指定された期限までに返済資金を用意する
督促状・催告書に記載された期限までに返済資金を工面すれば、滞納状況の改善・借金の完済を目指すことができます。
ただし、滞納状態を解消したいからといって何をしても良いというわけではありません。次のように、返済資金の工面方法にはやって良いこと・やってはいけないことがあるので、適切な方法で資金調達を行いましょう。
| 適切な資金調達方法 | ・自宅の不用品や高価ブランド品などを売却する ・親族や知人に融資を依頼する |
|---|---|
| 避けるべき資金調達方法 | ・他社からの借り入れを利用する ・「即日融資可能」などの怪しい取引に手を出す ・闇金から借り入れをする |
まず、他社からの借り入れを頼るのは厳禁です。なぜなら、他社からの借金を滞納中の返済資金に充てたところで債務者が抱えている借金総額は一切減っていないからです。むしろ、返済窓口が増えて多重債務状態におちいるリスクが高まるので、借金問題の深刻化を招くだけでしょう。
次に、SNSなどで横行している怪しい取引にも手を出してはいけません。たとえば、個人間融資・ひととき融資・携帯電話買取・口座買取・給料ファクタリング・クレジットカードの現金化などはすべて危険です。そもそも、「簡単な資金調達方法」などは存在しないので、借金問題解決の裏技のようなものに手を出すのは避けましょう。
さらに、闇金に手を出すのは絶対にやめてください。違法利息を強いられるだけではなく、厳しい取り立てや個人情報の漏洩リスクを招くので、借金問題の完済が遠のくだけです。
督促状・催告書での請求額を自力で工面する場合には、あくまでも追加融資なし、手の届く範囲で行わなければいけません。不用品の処分や親族等の融資でまかなえない場合には、すみやかに弁護士・司法書士に債務整理を依頼しましょう。
滞納分を解消した後は効率良く借金完済を目指そう
督促状・催告書に記載された請求額を返済できた場合には、ふたたび滞納問題を抱えないように返済生活を全うしましょう。滞納歴のある債務者が再度延滞状況におちいってしまうと、督促状・催告書による取り立て行為は激化し、強制執行までのタイミングが早まるリスクが高まるからです。
そして、自力完済を目指す際のポイントは次の3点。延滞なく完済を実現できるように、残りの返済期間気を抜かずに過ごしてください。
- 支出を節約する:固定費の見直しや携帯プランの変更など
- 収入を増やす:転職・副業・資格手当など
- 返済方法の工夫:繰り上げ返済・一括返済・毎月の返済額の増額
特に重要なポイントが返済方法に工夫を凝らすというもの。繰り上げ返済・毎月の返済額を増額すれば、債務者を苦しめる諸悪の根源である「利息の負担」を軽減できるので、従来の返済シミュレーションよりも完済時期を大幅に前倒しできます。
③分割払い・期限の猶予を交渉する
督促状・催告書の請求通りに返済資金を用意できない場合には、債権者と分割払い・返済期限の猶予などについて交渉しましょう。借金の返済方法は当事者間の合意で自由に決められるので、債権者が認めてくれさえすれば返済方法の変更・支払い期限の猶予を期待できます。
もっとも、すでに滞納状況が深刻な債務者に対して分割払いの変更・支払い期限の猶予を認めてくれる可能性は低いのが実情です。たとえば、延滞期間が数日程度であれば遅延損害金の負担なく1週間程度なら待ってくれる可能性はありますが、初回の督促状が送付された後の段階では不可能に近いでしょう。
ただ、債権者が応じてくれる可能性もゼロではないので、債権者と交渉をするときには次のポイントを意識して話し合いを進めてください(「返済資金を用意できないが債務整理を利用したくない」という債務者はこの方法をを頼るしかありません)。
- いつまでなら払えるかなど、債務者側の希望を具体的に伝える
- 滞納した理由・分割や猶予によって払える具体的根拠を示す(ボーナス前など)
- 丁寧な話し口調・真摯な姿勢で債権者の提案を拒絶しない
債務者側の希望が受け入れられない場合・債権者から提示された分割条件などを履行できない場合には自力完済を目指すことはできません。債務整理を利用すれば返済状況を大幅に改善できるので、債務整理に踏み出す勇気をもつのが重要です。
④弁護士・司法書士に債務整理を依頼する
督促状・催告書に記載された返済額を用意できない場合・目先の返済継続は可能だが完済を実現する余裕や自信がない場合には、債務整理で返済状況を抜本的に見直すのがおすすめです。
債務整理とは、国が認めた借金減額制度のこと。自己破産・個人再生・任意整理の3種類から自由に手続きを選択して合法的に返済状況を改善できます。
そして、債務整理を利用するときには弁護士・司法書士という法律の専門家に依頼するべきです。なぜなら、弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば次の3つのメリットが得られるからです。
- 督促状・催告書の送付などの取り立て行為が停止する
- 債務者の状況に適した債務整理を提案してくれる
- 税金問題への対処法にもアドバイスしてくれる
それでは、弁護士・司法書士に債務整理を依頼するメリットについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
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弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば督促状・催告書が停止する
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば債権者のすべての取り立て行為を停止できます。
債務整理の依頼を受けた専門家は債権者に「受任通知(介入通知・債務整理開始通知)」という書面を郵送。この受任通知には債務者に対する直接の取り立てを禁止する効力があるので、債権者からのプレッシャーから完全に解放されます(貸金業法第21条1項9号)。
督促状・催告書が停止すれば取り立てがきっかけで家族に借金のことを知られずに済みます。また、落ち着いた環境で債務整理の準備ができるので、今後の人生プランを冷静に考えやすいでしょう。
したがって、「債権者からの取り立てに困っている」「電話が鳴るたびにストレスを感じている」という債務者に債務整理はおすすめの方法です。
弁護士・司法書士は債務者の状況に適した債務整理を提案してくれる
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば債務者の生活再建に役立つ手続きを選択してくれます。
債務整理には自己破産・個人再生・任意整理の3種類の手続きが用意されています。どの手続きを選択するのも自由ですが、自分の状況に適した手続きを選択しなければ効果的に生活再建のステップを歩めません。
弁護士・司法書士は債務者の状況・借金問題の深刻レベル・債務者の希望を総合的に考慮して適切な手続きを選択してくれます。各債務整理手続きのメリット・デメリットは次の通りなので、法律の専門家への相談時にご活用ください。
| 手続き | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 自己破産 | ・借金返済義務を免責できる ・無職やフリーターでも利用できる |
・税金等は免責の対象外(非免責債権) ・財産が処分される(自由財産以外) ・ギャンブルが原因の借金は手続きのハードルが高い(免責不許可事由) ・職業制限が生じる仕事がある ・破産手続き中は移動制限・郵便物の管理制限が生じる ・官報に掲載、役所の破産者名簿に登録 |
| 個人再生 | ・借金元本を最大1/10まで減額できる ・3年の分割払い計画を作り直せる ・借金の理由を問われない ・住宅ローン特則を利用できる |
・裁判所の手続きが複雑 ・官報に掲載される ・安定した収入が必要 |
| 任意整理 | ・裁判所を利用せずに手続きを進められる ・将来利息をカットできる ・3年~5年の分割払い計画を作り直せる ・連帯保証人への迷惑を避けられる ・家族にバレずに手続きを進めやすい |
・債権者が合意しないと和解契約を締結できない ・他の債務整理よりも減額効果が弱い |
たとえば、マイホームを所有している債務者が自己破産を利用すると自宅が処分されるので個人再生・任意整理がおすすめです。借金返済義務の免責は得られませんが、自宅を残しながら借金返済状況を改善できます。
これに対して、所有財産がほとんどない・無職の債務者の場合には自己破産のデメリットは回避しやすいはず。個人再生や任意整理を利用して数年間の返済生活に縛られるよりも自己破産で借金を帳消しにする方が適しているでしょう。
弁護士・司法書士に相談すれば多角的な視点で債務者の生活再建に役立つ手続きを選択してくれるので、手続きを見誤ることがありません。多くの専門家は無料相談の機会を用意してくれているので、まずは現状分析のためにご相談ください。
【注意!】税金の滞納は債務整理では解決できない
弁護士・司法書士に相談をすれば、債務整理の対象外である税金・住民税・国民年金保険料・国民健康保険料などの滞納問題への対処法についてもアドバイスをもらえます。
税金等の滞納が原因で督促状・催告書が届いた場合には滞納処分の緊急度が高いです。弁護士のアドバイスを参考に、次の方法のなかから適切な手段をご検討ください。
- 滞納分の分納
- 滞納分の一部返済、残りは分納
- 減額・延滞金の免除を交渉(不可抗力事情があれば交渉可能)
- 支払い期限の猶予
- 滞納処分を待ってもらうように交渉
基本的に、税金などの直接交渉の着地点のバリエーションは豊富です。滞納者側にやむを得ない事情があり、かつ、丁寧な姿勢で話し合いに向かえば、自治体相談窓口の担当者もある程度融通を効かせてくれるでしょう。
弁護士・司法書士は自治体との交渉時のアドバイスや説明方法も提案してくれるので、借金問題の相談と合わせて相談してください。
まとめ
督促状と催告書はどちらも滞納状況におちいった債務者に郵送される取り立て書面のこと。滞納レベルの深刻度に違いはありますが、早期に対処法に踏み出さなければ強制執行リスクが高まるという点で同じです。
借金の自力完済を目指す場合には、督促状・催告書に記載された請求額を期限までに用意してください。これに対して、借金の完済が難しい状況なら悪あがきをするのは無意味、今すぐに債務整理を利用するべきでしょう。
弁護士・司法書士に相談をすれば、債務整理が必要か否か、どの債務整理を利用するべきかについて丁寧なアドバイスをもらえます。費用面の不安などにも応じてくれるので、どうぞお気軽にご相談ください。
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よくある質問
- Q. 督促状って、なんですか?
-
A.
督促状は借金の返済を迫る債権者からの通知書です。借金の返済が滞った初期の頃に送られてきます。この時はまだ脅しレベルです。
- Q. 催告書って、なんですか?
-
A.
催告書も督促状と同じで、返済を迫る通知書ですが、緊急性が異なります。催告書は、最終通知書と言えるもので、これ以上滞納したら法的措置をとるという意味があります。実際、催告書を無視すると裁判所に訴えられ、最終的に差し押さえにあいます。
- Q. 債務整理をするのは、いつがいいですか?
-
A.
債務整理は早ければ早いほどいいでしょう。督促状が来たら債務整理を検討しましょう。催告書が来るまで返済を放置するのは悪手です。

