クレジットカードのキャッシングサービスやショッピング利用額の返済・支払いを滞納すると滞納額全額を一括請求されることになりますが、指定期日までに一括請求のお金を払えないと、「強制執行」という法的措置が取られて、最終的には財産・給与などが差し押さえられてしまいます。
もし、時間に余裕があれば自力で返済資金を用意できるのなら、すみやかにカード会社に連絡をとって分割払い・支払い期限の猶予の交渉を行いましょう。すでに長期延滞状態の債務者にとって交渉のハードルは決して低くありませんが、カード会社の譲歩を引き出せる可能性はゼロではありません。
これに対して、どうしても一括返済できない家計状況ならば、弁護士・司法書士に債務整理を依頼するのがおすすめです。クレジットカードの支払いだけではなく、消費者金融などからの借り入れなどについても合法的に返済状況を改善、目前に迫った強制執行を回避できるでしょう。
債権者による一括請求から強制執行が実行されるまでには時間の猶予は残り僅かです。強制執行によって生じる回復し難いペナルティを避けるために、できるだけ早いタイミングで対処法に踏み出してください。
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クレジットカードの一括請求を払えないと生じる6つのペナルティ
クレジットカードの一括請求を無視してはいけません。なぜなら、クレジットカードの一括請求を払えないと次の6つのペナルティが発生するからです。
- 厳しい取り立てがつづく
- 遅延損害金が増えつづける
- クレジットカードを強制解約される
- カード会社が法的措置に踏み切る
- 強制執行で財産が差し押さえられる
- 信用情報がいつまでもキズついた状態に
それでは、クレジットカードの一括請求を払えないときのペナルティについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①厳しい取り立てがつづく
クレジットカードの一括請求を受けた債務者は、すでにカードの未払いが数ヶ月つづいているはず。その間に、携帯電話への問い合わせ・督促状などの郵便物の送付などの方法で取り立てが行われていたことでしょう。
そして、残債の一括請求を受けた後は、今までよりも厳しい態様・内容の取り立て行為が実施されることが予想されます。具体的には次のような督促行為が挙げられます。
- 自宅の固定電話・職場への問い合わせ
- 自宅や職場への訪問行為
- 厳しい警告文付きの内容証明郵便(催告書)の送付
- 裁判所からの通知(法的措置を取られた場合)
特に注意をしなければいけないのが、カード会社と提携している債権回収会社が回収業務に踏み出した段階です。
債権回収会社とは、借金等の取り立て行為を専門に担当する組織のこと。いわゆる”サービサー”と呼ばれるものです。カード会社のなかには深刻な滞納状況にある債務者への取り立て行為を債権回収会社に委託するケースが少なくありません。
そして、債権回収会社の取り立てはカード会社が直接行っていた督促よりも厳しい態様で実施されるのが一般的です。電話連絡の頻度や自宅・職場への問い合わせなども遠慮なく実施します(もちろん、闇金のように脅迫まがいの行為をすることはありませんが)。
自宅や職場に問い合わせが行われると、家族や職場の人に借金のことがバレる可能性が生まれます。携帯電話への着信に対して誠実に対応している限りは自宅・職場への電話連絡は回避できるので、一括請求に応じられないとしても、債権者からの連絡は無視しないようにしてください。
②遅延損害金が増えつづける
クレジットカードの一括請求を払えない債務者が注意をしなければいけないのが遅延損害金について。すでに、滞納翌日から一括請求をされた現在に至るまで毎日遅延損害金が発生しつづけていますし、今後、残債を一括返済しない限りはいつまでも遅延損害金の負担が重くなるばかりだからです。
遅延損害金とは、約定返済日までに支払えない場合に課される罰金のようなもの。たとえば、イオンカード(AEON CARD)では、ショッピング利用・キャッシング利用について、それぞれ次のような方法で遅延損害金の発生ルールを定めています。
第26条(ショッピング利用の遅延損害金)
1項 本人会員が、ショッピング利用代金の支払いを遅滞したときは、支払日の翌日から支払済の日に至るまで当該支払金に対し、年14.6%を乗じた額の遅延損害金を支払うものとします。
第32条(キャッシング利用の遅延損害金)
本人会員が、キャッシング利用代金の返済を遅滞した場合は、支払日の翌日から支払済の日に至るまで当該返済金の元金部分に対し、また期限の利益を喪失したときは、期限の利益喪失の日から完済の日に至るまで残存債務の元本部分に対し、年20.0%(1年を365日とする日割計算。ただし、うるう年は366日とします。)を乗じた額の遅延損害金を支払うものとします。引用元:イオンカード規約集
特に注意を要するのがキャッシング利用を滞納しているケースです。残債総額に対して年利率20.0%の割合で延滞日数に応じて遅延損害金が発生するため、一括請求を払えない限りは、高額な金銭負担が日々加算されることになります。
たとえば、クレジットカードのキャッシング50万円の一括請求をされた場合、延滞期間が3ヶ月程度に及んでいるのがほとんどのはず。すでに約24,658円の遅延損害金が発生していますし、一括請求を払えない限りは毎日約274円ずつ返済義務が重くなっていると考えられます。
したがって、クレジットカードの一括請求を払えないまま何の対処法にも踏み出さなければ返済苦から抜け出すのはさらに難しくなるだけです。すみやかにカード会社に連絡をとって返済方法の交渉を行うか、弁護士・司法書士まで債務整理をご依頼ください。
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③クレジットカードを強制解約される
クレジットカードを一括請求されるほど深刻な延滞状況にある債務者は、カード会員資格が取り消されて強制解約される可能性が高いです。
たとえば、楽天カード(Rakuten Card)では、次のような事情が発生した場合にはカード会員資格をはく奪すると定めています。
第19条(カード利用の停止、会員資格取消し)
3項 当社は、会員が次の各号のいずれかの事由に該当した又は当社が該当したと判断した場合、会員資格を取消すことができ、加盟店等に当該カードの無効を通知又は登録することがあります。
(1) 会員がカードの申込若しくはその他の当社への申込等で虚偽の申告をした場合。
(2) 会員が本規約のいずれかに違反した場合。
(3) 会員が支払債務の履行を怠った場合。
(4) 差押・破産・民事再生申立・取引停止処分があった場合等会員の信用状態が著しく悪化した場合。
(5) 換金目的でカードを利用する等カードの利用状況が適当でないと当社が認めた場合。
(6) 前条の再審査によりカード利用の継続が不適切であると当社が認めた場合。引用元:楽天カード会員規約
基本的には、どのカード会社も同じような強制解約事由を定めています。支払い状況の悪化は当然のことながら、カードの不正利用・虚偽申告などの事情が発生した場合にも強制解約を避けられません。
そして、カードの強制解約の関係で注意すべきポイントは、半永久的に強制解約されたカード会社のクレジットカードを再発行することができないという点。カード会社は会員の過去の取引履歴をすべて社内データ化しているので、強制解約の履歴がある元会員の再発行申請が通ることはありません。
もちろん、他社のクレジットカードは(ブラックリスト情報抹消後に)再発行することができますが、使い慣れたクレジットカードを使用できなくなるというデメリットを押さえておきましょう(カード会社によっては、信用情報とは無関係の金融取引すべてを拒絶するケースもあります)。
④カード会社が法的措置に踏み切る
クレジットカードの一括請求を払えない状態がつづくと、強制執行を実行するための準備活動として、カード会社が裁判所に法的措置を申し立てることになります。カード会社・債権回収会社からの厳しい警告文の後、裁判所から法的措置開始を告げる通知が届くという流れです。「裁判所から通知が届いた」というだけでも債務者にとっては不安でしょう。
クレジットカードの滞納のケースでは”支払督促”という手続きが取られるのが一般的。裁判所から支払督促の通知書が届いた場合、「”支払督促を受け取ってから2週間経過した日”から30日以内」に強制執行に向けた準備が進められます(仮執行宣言の申立て)。つまり、裁判所から通知が届いた段階で、強制執行回避に向けてすみやかに対策をとらなければいけないということです。
なお、裁判所から”支払督促”の通知書が届いた場合には、2週間以内に異議申し立てを提出すれば通常裁判(140万円以下なら簡易裁判所・140万円を超えるなら地方裁判所にて。)でカード会社の請求内容を争うことができます。もっとも、「カード会社からの請求額が間違えている」「カードを利用していないのに請求された」などの特殊な事情がない限りは、債務者側の主張が認められることはありません。
したがって、カード会社が法的措置に踏み出した場合には、決して裁判所からの通知を無視することなく、債務整理などの方法に着手して強制執行を回避するべきだと考えられます。
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⑤強制執行で財産が差し押さえられる
クレジットカードの一括請求を払えないまま何の対処法もとらなければ、最終的には強制執行が実行されて、債務者の財産・給与などが差し押さえられます。これは、「債務者の自主的な返済が期待できないので、モノ・給料などから強制的に借金を返済させる」というものです。
強制執行では、次のモノが差し押さえ対象になるのが一般的です。以下のモノが差し押さえられることによって、モノに対する処分権限が剥奪されるだけではなく、派生的なデメリットが生じうる点にご注意ください。
| 差し押さえ対象 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 給与 | ・原則給与手取り額の1/4が差し押さえ対象 ・例外的に手取り額面が44万円を超えるなら”33万円以上”が全額処分対象 ・会社から債権者に直接支払われるので職場に迷惑がかかる ・解雇されることはないが社会的信用は失墜する |
| 預貯金口座 | ・債務者名義の預貯金口座が差し押さえ対象 ・家賃、公共料金の支払いなど、生活費の引き落としができなくなるリスクあり ・預貯金口座が凍結するリスクあり |
| 債務者名義の財産 | ・動産、不動産問わず換金性の高い財物は対象になる ・手元に残せるのは”差押禁止財産”のみ ・家族や子どもにも迷惑がかかる |
特に注意しなければいけないのが、債務者本人だけではなく家族・会社にも迷惑が及ぶということです。
たとえば、給与が差し押さえられると債権者・裁判所から職場に連絡がいきます。給与の差し押さえ手続きでは、「会社から債権者に直接差し押さえ額を支払う」という方法が取られるので、経理・人事などの業務負担が増えるでしょう。職場の人にプライベートな金銭トラブルを知られることになるので、仕事がしにくくなるリスクも生じます。
また、たとえば債務者名義で購入したマイホームを処分されると、家族・子どもまでもが生活拠点を失うことになりかねません。引越しや転校を強いられるリスクもゼロではないため、何としても強制執行は回避すべきでしょう。
クレジットカードの一括請求を払えない状況を放置すると、確実に強制執行が実行されます。逆に、クレジットカードの一括請求を払えないことが判明した今の段階で対処法に踏み出せば、強制執行回避と返済状況の抜本的改善を目指すことが可能です。
借金問題に向き合うには勇気がいりますが、被害を抑えて解決に踏み出すには今がラストチャンス。すみやかに弁護士・司法書士までご相談ください。
ショッピングローンで購入した商品が引き上げられるリスクにも要注意
たとえば、クレジットカードの分割払い・リボ払いなどで高価プレゼントを購入したようなケースでは、購入商品がカード会社に引き上げられる可能性がある点にも注意が必要です。
実は、クレジットカードで商品を購入した場合、全額の支払いが終了するまでは商品の所有権はカード会社に残っています(「所有権留保」と呼びます)。つまり、契約通りの返済が叶わない段階で、いつ商品を引き上げられてもおかしくない状態だということです。引き上げられた商品の価格が借金残債から差し引かれることになります。
もちろん、商品の引き上げ・売却による現金化には事務処理コストが発生するため、ショッピング決済をしたすべての未払い商品が回収されるというわけではありません。
しかし、高価ブランド品・自動車などの換金性の高いものについては、一括請求を払えない状況がつづくと「強制執行が実行される前に」引き上げられるリスクがあると理解しておきましょう。
カード会社からの商品引き上げを防ぐためには、滞納分の返済方法について交渉するなかで”商品を返却できない理由”を丁寧に伝える必要があります。弁護士・司法書士などのアドバイスを参考に、「商品の回収を防ぎながら生活再建を目指す方法」に着手してください。
⑥信用情報がいつまでもキズがついた状態に
クレジットカードの滞納額を一括請求されたケースでは、ほぼ同じタイミングで債務者の信用情報にキズが付きます。「信用情報にキズがつく」とは、信用情報機関に異動情報(事故情報)が登録された状態のこと。いわゆる”ブラックリストに登録される”という状態のことを指します。
そして、クレジットカードの一括請求を払えない債務者が押さえるべきポイントは、「一括請求を無視したり払えないまま放置をしつづけたりすると、いつまでも信用情報がキズついた状態になる」という点です。ブラックリストに登録された状態が継続すると、いつまでも新規カードを発行できなかったり、住宅ローン審査や賃貸物件の入居審査に落ちたり、子どもの奨学金の連帯保証人になれなかったりなど、日常生活に多くの支障が生じるままです。
ブラックリスト情報は、返済状況が回復してから約5年~10年程度が抹消されるのが一般的な扱いです。つまり、できるだけ早期にクレジットカードの未払いトラブル解決に向けて動き出せば、それだけ早く事故情報を抹消して何の支障も存在しない生活を取り戻すことができるということを意味します。
それぞれの人が自分なりの人生計画を抱いているはずです。借金問題を克服して建設的な人生を再スタートするために、できるだけすみやかに弁護士・司法書士に債務整理等を依頼して、生活再建の道を歩み始めましょう。
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クレジットカードの一括請求を払えないときの2つの対処法
クレジットカード滞納額の一括請求では、支払い期日が数週間以内に設定されているのがほとんどです。毎月の支払いさえ難しい債務者にとって、数週間以内に全額を払うのは簡単ではないでしょう。
したがって、クレジットカードの一括請求を払えない場合には、その後の強制執行を回避するために、すみやかに対策をとる必要があります。クレジットカードの一括請求を払えない債務者に与えられた対処法は次の2つです。
- カード会社に支払い猶予や分割払いの交渉を行う
- 弁護士・司法書士に債務整理を依頼する
それでは、クレジットカードの一括請求を払えないときの2つの対処法について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①カード会社に支払い猶予や分割払いの交渉を行う
クレジットカードの一括請求を払えないときには、支払い猶予・分割払いについてカード会社と直接交渉する方法が考えられます。
本来、返済方法や返済期限については、あくまでも契約当事者間の合意によって形成されるものです。つまり、カード会社・保証会社・債権回収会社という債権者が返済猶予・分割払いを認めてくれさえすれば、債務者自身が自力で払えるようなスケージュールを組み直すことが許されます。
債権者に支払い期限の猶予・分割払いの交渉を行う際には、次のポイントを意識してください。
- 丁寧、誠実な話し方で、延滞していることを詫びる
- 滞納した合理性のある理由を伝える
- 猶予・分割払いによって返済できるだけの具体的な根拠を示す
もっとも、クレジットカードの一括請求をされた債務者は、すでに”期限の利益(=分割払いをする権利)”を喪失した状態です。長期滞納などが原因で期限の利益を喪失したような悪質な債務者に対してふたたび分割払い等を認めてくれる余地はほとんどないと考えておきましょう。
また、カード会社側が譲歩して支払い猶予・分割払いを認めてくれた場合には、絶対に約束を破ってはいけません。なぜなら、「滞納が発生した。しかし、カード会社が期限を猶予してくれた。にもかかわらずさらに滞納を重ねた」という状況は極めて印象が悪いので、再度の滞納を契機として強制執行が実行される危険性が高まるからです。
したがって、猶予・分割払いの交渉が受け入れてもらえなかった場合、猶予・分割払いを認めてもらったとしても今後返済を継続できる可能性が低い場合には、カード会社と交渉するのは有効な手段ではありません。次で紹介する債務整理によって返済状況の抜本的解決を目指すべきでしょう。
②弁護士・司法書士に債務整理を依頼する
クレジットカードの一括請求を払えないときには、債務整理という制度を活用して返済状況の改善を目指すのがおすすめの方法です。
債務整理とは、国が認めた借金減額制度のこと。消費者金融やカード会社の借金問題を合法的に改善できるので、借金等が原因で困窮している債務者の救済措置となるものです。クレジットカードを一括請求された債務者でも債務整理を利用すれば状況の悪化を回避できます。
そして、債務整理を利用する場合には、弁護士・司法書士という法律の専門家に相談することを強くおすすめします。その理由は次の5点です。
- 弁護士・司法書士は債務者の状況に応じた債務整理手続きを選択してくれる
- 弁護士・司法書士に依頼すればカード会社からの取り立てが停止する
- 債務整理を行うことで強制執行も回避できる
- 債務整理を利用するタイミングが早いほどクレジットカードの利用再開時期を前倒しできる
- 債務整理の相談料は無料の事務所も多い
それでは、債務整理を弁護士・司法書士に依頼する5つのメリットについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
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弁護士・司法書士は債務者の状況に応じた債務整理手続きを選択してくれる
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、債務者の状況に適した債務整理手続きを選択してくれます。
そもそも、クレジットカードの一括返済を求められた債務者のなかには、クレジットカード以外の支払い問題を抱えている人も少なくないはず。複数の消費者金融に手を出して多重債務状態におちいっている場合、リボ払い残債が膨れ上がって完済がどんどん遠のくケース、住宅ローン・カーローンなどの支払いで困っている人など、状況はさまざまです。
そして、債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産という3種類の手続きが用意されており、手続きごとに得られる効果が異なります。つまり、債務整理を利用する場合には、「自分に適した債務整理手続きを選択して効果的に生活再建の道を歩むこと」が重要だと考えられます。
弁護士・司法書士なら借金総額・借金の内訳・債務者の収入や家計事情などを総合的に考慮して、次の3つの手続きから生活を立て直しやすい手続きを選択してくれるでしょう。
- 任意整理:将来利息を免除・分割払い計画を作り直せる
- 個人再生:借金元本自体を減額・分割払い計画を作り直せる
- 自己破産:借金返済義務を免責
任意整理なら利息をカットして一括請求を分割払いに切り替えられる
任意整理とは、債権者と直接交渉をして、「将来利息の免除」「3年~5年の分割払い計画の再作成」という和解契約を引き出す債務整理手続きのこと。裁判所を利用せずに手続きを進められるので、スムーズに解決まで至りやすいというメリットが得られます。
任意整理の最大の特徴は、利息の支払いが免除されるというもの。債務者を苦しめる根本原因である”利息”の支払いから逃れられるので、元本のみの返済で完済を目指しやすくなります。
次のような状況の人は、任意整理が向いている可能性が高いです。
- リボ払い手数料やカードローンの高額利息が原因で借金が減らない
- 元本だけの3年~5年の返済計画なら自力で達成できる
- 連帯保証人付きの借金を抱えていて、連帯保証人に迷惑をかけたくない
- 家族にバレずに借金問題を解決したい
個人再生なら残債自体を減額して一括請求を分割払いに切り替えられる
個人再生とは、裁判所を利用して借金元本自体を減額して3年の分割払いに切り替えられる債務整理手続きのこと。最大1/10まで借金総額を減額できることから、将来利息のカットしかできない任意整理よりも大きな減額効果を手にすることができます。
個人再生の最大の特徴は、返済中の住宅ローンにかんする特則が用意されている点。マイホームに設定された抵当権などの実行を回避しつつ、他の借金問題の解決を目指せます。
個人再生による解決が向いているのは次のような状況の債務者です。
- カード未払い額含めた借金総額が100万円以上ある(減額効果を期待しやすい)
- 住宅ローン返済中のマイホームを手放したくない
- 3年間の分割払い計画をクリアできるだけの安定した給与がある(サラリーマンなど)
自己破産なら分割払いの必要なくクレジットカードの返済義務を免責できる
自己破産とは、裁判所を利用して借金返済義務を帳消しにできる債務整理手続きのこと。債務整理手続き後も返済生活がつづく任意整理・個人再生とは異なり、免責許可決定が確定した段階で借金生活が終了するというメリットを得られます。
自己破産を利用する際に注意しなければいけないのが、他の債務整理手続きに比べてデメリットが大きいという点です。「免責」という大きなメリットの対価として、財産処分・免責不許可事由などの手続き上の注意事項が多いので、自己破産を利用すべきか否かについて事前に慎重に判断をしなければいけません。
以下の状況の人は自己破産による問題解決が向いている可能性が高いです。
- 自己名義の所有財産がほとんどない
- 一定の財産を所有しているが最低限さえ手元に残せれば処分されても構わない
- 無職・低収入が原因でこれ以上の返済継続が難しい
- 破産手続き中の職業制限の対象ではない仕事に従事している
- 税金や養育費の滞納など、非免責債権を抱えていない
弁護士・司法書士に依頼すればカード会社からの取り立てが停止する
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、カード会社やその他債権者からの取り立てがすぐにストップします。
債務整理の依頼を受けた専門家は、整理対象になった借金の債権者全員に「受任通知(介入通知・債務整理開始通知)」を送付します。受任通知を受け取った債権者はすべての督促行為が禁止されるので、これによって債務者は債権者からの取り立て圧力から解放されます(貸金業法第21条1項9号)。
債権者からの取り立てが停止すれば、日常生活が脅かされる心配はありません。債務整理手続きが終了するまでカードの一括請求を求められることはありませんし、取り立てが原因で家族・職場に借金のことがバレる心配もなくなります。
したがって、落ち着いた環境で債務整理の準備・生活再建のステップを歩み出したいという方は、できるだけ早期に専門家に相談することをおすすめします。
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債務整理を行うことで強制執行も回避できる
クレジットカード滞納額の一括返済を求められた債務者が最優先に考えなければいけないのが「強制執行を回避」すること。債務整理を利用すれば、強制執行を回避しつつ、返済状況の改善も目指せます。
- 自己破産:強制執行を停止できる
- 個人再生:強制執行を停止できる
- 任意整理:強制執行を実行しない旨を債権者と交渉できる
自己破産・個人再生に踏み出せば、カード会社などの債権者が強制執行に踏み出すことを回避できます。
これに対して、任意整理でクレジットカード未払い分などの解決を目指す場合には、強制執行回避について債権者と交渉を進めることが可能です(交渉をしなければ、任意整理を利用したにもかかわらず債権者が強制執行を実行するというリスクを排除できません)。
強制執行を回避することと生活再建手法を選択することはセットです。クレジットカードの一括請求を受けた以上は強制執行が目前に迫っているので、すみやかに弁護士・司法書士までご相談ください。
債務整理を利用するタイミングが早いほどクレジットカードの利用再開時期を前倒しできる
債務整理を利用することは、ブラックリスト情報との関係でもメリットが得られます。
そもそも、どの債務整理手続きを利用したとしても、「5年~10年程度信用情報にキズが付く」というデメリットが存在します。「ブラックリストに登録されるのが嫌だ」という理由で債務整理を躊躇する債務者も少なくありません。
もっとも、クレジットカードの一括返済を求められた債務者は、すでにブラックリストに登録された状態です。つまり、今さら「ブラックリストに登録されるのは嫌だ」と考える必要はなく、むしろ、「債務整理のデメリットが軽減された状態だ」と前向きに捉え直すことも可能だということです。
そして、債務整理をきっかけに借金問題を解決できれば、その時点から5年~10年で信用情報が”ホワイト”に戻ります。つまり、ホワイトに戻った時点からクレジットカードの利用、ローン契約の締結などが可能になるということです(債務整理を利用せずに借金問題を抱えた状態だといつまでもブラックリストのままです)。
したがって、「ふたたびクレジットカードを使えるようになりたい」などのように、ブラックリストによる弊害を早期に解決したい方は、今すぐに債務整理に踏み出して信用情報が回復する時期を前倒しにするのがおすすめです。
債務整理の相談料は無料の事務所も多い
債務整理を弁護士・司法書士に相談するとなると費用面の不安を抱えることもあるはずです。特に、クレジットカードを払えない債務者にとって、専門家への相談料・債務整理費用を用意するのは簡単ではないでしょう。
ただ、クレジットカードの支払いなどの借金問題を専門家に相談する場合には、過度に費用面の心配をする必要はありません。なぜなら、借金問題に強い専門家に債務整理を依頼すれば、次のような費用面のメリットが期待できるからです。
- 相談料無料で滞納してくれる
- 費用の分割払いなどにも臨機応変に応じてくれる
- 債務整理手続きが終了するまで借金返済自体が停止するので費用の工面をしやすい
- 法テラスの債務整理費用立て替え制度を利用できるケースがある
「お金がないから債務整理もできない」という状況では、債務整理制度が設けられた意味がなくなります。借金問題に力を入れている専門家は「お金がないから困っている」人を救うために親身なサポート体制を整えてくれているので、どうごお気軽にご相談ください。
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本当に払えない?返済資金を用意するために今すぐできる方法
クレジットカードの一括請求を受けたとき、請求額の高さに驚いて、「全額なんてとても払えない」と思い込んでしまうケースは少なくありません。
確かに、預貯金額や収入・家計の収支バランスなどを総合的に考慮すると、明らかにクレジットカードの一括請求に応じられないこともあるでしょう。
その一方で、いくつかの方法を実践すれば、実はクレジットカードの一括請求に自力で対応できるケースがあるのも事実です。この場合、わざわざカード会社と交渉をしたり、債務整理を利用したりする必要はありません。
それでは、クレジットカードの一括返済を求められた場合に検討すべき自力返済の可能性や決して手を出してはいけない方法について具体的に見ていきましょう。
返済資金工面に効果的な方法
クレジットカードの一括請求に対して自力で返済資金を工面する場合には、次の方法をご検討ください。
- 親族・知人に融資を依頼する
- 自宅の不用品・高価品を売却する
- 質屋取引を活用する
- 安定的な収支バランスを維持できる生活体制を確立する
①親族・知人に融資を依頼する
クレジットカード会社から一括請求を受けた場合には、家族・知人に融資を依頼して一時的に立て替えてもらう方法が効果的です。
なぜなら、親族・知人からの融資でクレジットカード滞納分を一括返済すれば、その時点でカード会社との間で生じている借金問題はすべて解決できるからです。これによって、強制執行を実行されるリスクや利息・遅延損害金の加算などのデメリットを完全に回避できます。
もっとも、親族・知人の融資を頼る場合には、個人間の金銭トラブルに発展しないように注意が必要です。利息条件や返済方法などを丁寧に話し合って借用書を作成したうえで、契約通りに返済しましょう。
②自宅の不用品・高価品を売却する
不用品・高価品を所有している場合には、リサイクルショップなどに売却して資金調達する方法が考えられます。
特に、高価ブランド品やゲーム機器・家電製品などは高価買取が可能なケースが少なくありません。複数の中古買取店に査定依頼を出して、最も高値買取をしてくれる店舗に買い取ってもらいましょう。
③質屋取引を活用する
高価品を所有している場合には、質屋取引を活用する手段も効果的です。
質屋取引とは、品物を担保として提供する代わりに一定の査定額の融資を受けられる取引手法のこと。担保として提供した物品を取り戻すためには、融資額に一定の手数料を合わせた額面を支払わなければいけませんが、お金を返済しなくても担保物が取り上げられる(質流れ)だけで、別途返済義務が課されることはないという特徴のものです。
高価ブランド品・ゲーム機器・貴金属のなかには、中古リサイクルショップに買い取ってもらうよりも、質屋に預け入れた方が高額の融資を受けられる場合があります。希少価値の高いものやブランド品を多数所有している方は、お近くの質店まで査定依頼を出してみましょう。
④安定的な収支バランスを維持できる生活体制を確立する
クレジットカードの一括請求に対して自力で資金調達をする場合に注意をしなければいけないのは、「請求額を支払えばそれで終わり」と気を緩めてしまうのではなく、「ふたたび借金問題を抱えないような家計収支バランスを確立する」ために生活スタイルを抜本的に見直すことです。
収入の範囲で生活をやりくりするためには次の方法が効果的です。
- 普段の買い物は現金決済中心でお金の管理意識を高める
- ギャンブルや浪費癖などの自分の悪癖を見直す
- 毎月少しずつでも貯金する癖をつける
- どうしても収入の範囲内で生活できないなら公的支援制度を活用する
特に重要なのが、生活費不足で行き詰ったときに公的支援制度を活用するというものです。
たとえば、新型コロナウイルス感染症の影響で解雇・収入減に追い込まれた場合に利用できる緊急小口資金制度、最低限度の生活さえ難しい人が利用できる生活保護制度など、人々の置かれた状況ごとに利用できる公的支援制度が多数用意されています。詳細はお住まいの自治体までご相談ください。
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やってはいけない資金工面の方法
クレジットカードの一括返済のために自力で返済資金を工面するとしても、何をしても良いというわけではないということに注意が必要です。
特に、以下の資金調達手法は債務者を今よりも厳しい状況に追い込むだけなので、絶対に手を出してはいけません。
- 他社からの追加融資を頼る
- 闇金から借金をする
- 合法性に疑いのある取引に手を出す
①他社からの追加融資を頼る
クレジットカード滞納額の一括請求を受けた場合、預貯金などから工面できないからといって、消費者金融などからの借り入れを頼るのは厳禁です。そもそも、クレジットカードの一括請求を受けた段階で信用情報にキズが付いているのがほとんどなので、アコムやアイフルなどの大手消費者金融の融資審査には通りません。
また、仮にブラックリストに登録されていないとしても、他社からの追加融資で一括請求資金を集めるのは愚策です。なぜなら、他社からの借り入れでクレジットカード会社からの請求に対応できたとしても、その分別の返済義務が発生しているため、債務者が抱えている借金総額には一切減っていないからです。
さらに、消費者金融・街金などの融資条件では、利息制限法の上限金利ギリギリの高利率が設定されているのが一般的。今後、利息の支払いに苦しみ、結果として、今回クレジットカードの支払いが遅れたのと同じ状況に追い込まれるだけでしょう。
したがって、親族からの融資や不用品等の売却によって返済資金を用意できない場合には、すみやかに弁護士・司法書士に債務整理をご依頼ください。
②闇金から借金をする
「ブラックリストでも融資可能」「簡単に資金調達可能」などのようなネット広告・SNSでの募集にも頼ってはいけません。なぜなら、闇金被害に巻き込まれるリスクが高いからです。
闇金とは、貸金業無登録で違法に融資活動を行う存在のこと。消費者金融や銀行などを頼ることができない状況の債務者をターゲットにして利益を貪る悪質な業者です。
闇金に手を出すと、次のようなデメリットが生じます。今よりも状況が改善されることはあり得ないので、決して手を出さないようにしてください。
- 違法利息を請求される
- 脅迫まがいの言動で取り立てが実施される
- 債務者本人だけではなく家族・職場・近隣住民も嫌がらせを受けるリスクがある
- 個人情報が転売されて新たな闇金被害のきっかけを作ってしまう
万が一闇金に手を出してしまっているのなら、闇金対策に強い弁護士・司法書士に相談しましょう。闇金からの借金は無効だと主張して、闇金からの取り立てを回避することができます。
闇金のような違法業者と関わっている限り、建設的な方法で生活再建を目指すのは不可能に近いでしょう。債務者には合法的に借金状況を改善できる”債務整理”という制度が用意されているので、正しい方向で借金問題改善を目指してください。
③合法性に疑いのある取引に手を出す
闇金からの借金以外にも手を出してはいけないものがあります。
たとえば、以下のような合法性に疑いのある取引・債務者側が過度に不利益を被る取引に手を出してしまうと、結果として、生活再建から遠のくことになるでしょう。
| 手を出してはいけない取引 | 内容・リスク |
|---|---|
| 給料ファクタリング | ・給与債権を担保に資金調達をする取引手法 ・高額な手数料が発生するため生活が困窮する ・実質的には借金。違法利息を強いられているのと同じ状況 |
| ひととき融資 | ・金銭の対価として性交渉等を要求される ・売春自体が違法なので債務者側も検挙されるリスクがある ・写真や動画などが悪用されて被害が拡大するリスクがある |
| 個人間融資 | ・ネット等で闇金が素性を隠して融資をもちかける ・職場情報や口座情報がバレるので被害が拡大する |
| 口座買取・携帯買取 | ・口座やスマホの売却は違法 ・債務者側が詐欺罪で検挙されるリスクがある ・高額な通話料や通信量を請求されるリスクがある |
借金問題の裏技”や”抜け道”と呼ばれるものには落とし穴しかありません。結果として、債務者が自ら首を絞めることになるだけです。
クレジットカード滞納額を一括請求された債務者に必要なことは、「真正面から借金問題に向き合う覚悟」です。弁護士・司法書士という法律の専門家に相談すれば正しい生活再建プロセスを教えてくれるので、できるだけすみやかにアドバイスを求めましょう。
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まとめ
クレジットカードの一括請求を払えない状態がつづくと、最短数週間以内に強制執行が実行されます。家族や職場への迷惑を避けるためにも、かならず強制執行が実行される前に対処法に踏み出しましょう。
債務者に与えられた選択肢は2つ。支払い期限の猶予・分割払いを求めてカード会社と交渉するか、弁護士・司法書士に債務整理を依頼するかです。
そして、現在の生活レベルが厳しく、どうしても自力で返済を継続するのが難しいのなら、債務整理という合法的な制度を活用して返済状況を改善するのがおすすめです。専門家に依頼すれば債務者自身に適した手続きを提示してくれるので、強制執行が実行される前に相談にいきましょう。
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よくある質問
- Q. 強制執行って何ですか?
-
A.
分かりやすく言うと、差し押さえのことです。給与の一部や銀行預金、換金性の高い財産が没収されます。
- Q. クレジットカード会社から一括請求されました。どうしたらいいですか?
-
A.
債務整理をしてください。債務整理は合法的に借金を整理できる制度です。どの債務整理がいいかは個人の状況により異なりますので、弁護士等にご相談ください。
- Q. 取り立てが厳しいです。クレジットカード会社って、こんなこともするのですか?
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A.
クレジットカード会社と取り立て会社(債権回収会社)は異なることが多いです。電話での催促や督促状等はクレジットカード会社がしますが、実際の取り立ては債権回収会社に委託することが多いです。

