車のローン滞納のリスクとは?一括請求されて支払えない場合の今後と対策を解説

車 ローン 滞納

車のローンを滞納してローン会社から一括請求を受けてしまうと、一括弁済できない限り車を引き上げられてしまいます。特に所有権留保されている場合、所有者であるローン会社にその車の処分権があるため、引き上げに抵抗しても車を守ることはできないでしょう。

自分でローン会社と交渉したり、ローンの借り換えを行ったりする方法も考えられます。また、法律の専門家である弁護士に債務整理を依頼することで、債務状況を改善させ車を手元に残すことができる可能性もあります。

延滞が長引けばその日数だけ遅延損害金が加算されてしまいます。車が生活に必要で手放せないのであれば、ローン会社が車の引き上げに動き出す前に専門家に相談することが大切です。

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車のローンを一括請求された後に起きること

車のローンを数回滞納してローン会社から一括請求されてしまうと、支払えなかったらどうなるか、車は没収されてしまうのか、など今後どうなるか不安を抱えてしまうでしょう。

ここからは、滞納してしまってから一括請求を受け、車を引き上げられるまでの具体的な流れを解説しつつ、車を失うだけではない滞納のデメリットについてお伝えします。

①車が没収される(車の引き上げ)

残念ながら、滞納後一括請求を受けている場合、車の引き上げは免れないでしょう。場合によっては裁判を起こされ車以外の財産を差し押さえられてしまうこともあります。

カーローンの契約方法によって今後の道筋も変わりますので、ローンの契約書や車検証を再度確認しつつ、どれが自分の場合に当てはまるかをみていきましょう。

車のローンの滞納から車の引き上げ・差し押さえまでの流れ

車のローンを数回滞納すると、早ければ2~3ヶ月でローン会社に車を引き上げられてしまうでしょう。車は通常、使用期間が長くなるほど価値が下がってしまうため、ローン会社側は支払いが滞れば車の価値が下がらないうちに早めに回収しようとします。

ただし、車の引き上げがすぐに行われるかどうかは、その車がローン会社に「所有権留保」されているか否かによります。

【所有権留保とは?】
所有権留保とは、ローンを完済するまで車の所有権を債権者であるローン会社に留めておくことです。所有権を持つローン会社には車を自由に処分する権利があるため、万が一弁済が滞った際には所有権に基づいて車の引き上げをすることができます。所有権留保がされているかは、車検証の所有者欄で確認することができます。

以下、口座残高が足りずにローンの返済が滞ってしまった場合の流れを見ていきましょう。

1.車のローン会社から督促の連絡が来る

支払い期日に口座残高がなく引き落としができなかった場合、数日後にローン会社から振込用紙が届きます。振込用紙に支払期日が指定され、その日までに支払いをするよう通知されます。

支払えなければ、連帯保証人がいる場合にはそちらにも請求が行くでしょう。カーローンでは、収入が不安定であったり未成年だったりする場合には連帯保証人をつけることが求められます。この連帯保証人は借りた本人と同じ責任を負うため、本人と同じ額の請求を受けてしまいます。

また、ローン契約時に記載した勤務先に連絡が行くことも考えられます。

2.期限の利益を喪失し、一括請求される

通常2ヶ月以上返済が滞ると、期限の利益を喪失し、延滞金を付した残元金を一括請求されます。

「期限の利益」とは、決められた返済日までに弁済をすればよいという借り手側の利益のことです。分割弁済の場合、返済日を守っている限り一括請求を受けることはありません。

期限の利益を喪失する条件は、契約で決めることができます。自動車ローンの場合、契約書に期限の利益喪失条項が設けられており、「〇回支払いを怠ったら期限の利益を喪失する」と記載されていることが多いでしょう。

何回滞納したら期限の利益を喪失するかは契約によって異なります。しかし、自動車ローンなどの分割払い契約を規制する「割賦販売法」では、

第五条 割賦販売業者は、割賦販売の方法により指定商品若しくは指定権利を販売する契約又は指定役務を提供する契約について賦払金(第二条第一項第二号に規定する割賦販売の方法により指定商品若しくは指定権利を販売する契約又は指定役務を提供する契約にあつては、弁済金。以下この項において同じ。)の支払の義務が履行されない場合において、二十日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。
割賦販売法第5条 契約の解除等の制限

と規定されています。

「割賦販売法」とは?
カーローンやクレジットカードのような分割払いや後払いを行う事業者を規制することで、公正な取引を維持するために制定された法律です。契約時の(電磁的)書面交付の義務、契約解除や損害賠償金に制限を設けるなど、消費者を不利益から守ることを目的としています。

そのため自動車ローン契約では、1度滞納してローン会社より督促があったにもかかわらず、再度の支払い期日として指定された日までに支払いができなかった場合に期限の利益を喪失すると定める契約が多いでしょう。

よって、車のローン契約では、2ヶ月以上支払いを怠ると期限の利益を失い、支払いを猶予されていた残元金を一括して支払うよう請求を受けることになります。

このように、ローン会社から督促が来た際、支払えないからといって無視をしてしまうと大きなペナルティを受けてしまいます。

3.車の引き上げもしくは裁判手続き

ローン会社から残元金の一括支払い請求を受け、期限までに支払うことができなかった場合、車を引き上げられる可能性が高いといえるでしょう。ただし、すぐに引き上げられるかどうかは「所有権留保」の有無によります。
所有権留保がついているかどうかは、車検証の所有者欄で確認しましょう。

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所有権留保がある場合

車検証の所有者欄がローン会社名になっている場合、車の引き上げ予告通知を受けた後、日時を調整の上契約者本人立ち会いの下に車が引き上げられます。引き上げ後の車は業者によって売却され、売却額が債務に充当されます。

本来債権者であるローン会社が車を引き上げるためには、貸付金返還のために訴訟を提起し、勝訴した後に裁判所に差し押さえの許可をもらわなければなりません。

しかし、数ある権利の中で「所有権」は最も強い権利といわれています。車の所有権を留めておくことで、ローン会社には自分の持ち物である車を自由に処分する権利があり、裁判手続きを経ることなく引き上げることができるのです。

信販会社のカーローンやディーラーローンなどを組み比較的借入額が多い場合は、高確率で所有権留保されています。

いくら所有権が強い権利でも、引き上げには契約者本人の同意と立ち会いが必要です。しかし引き上げに抵抗し続けることはおすすめできません。支払いができない状態で車の引き上げを引き延ばすと、その日数だけ遅延損害金が加算され続け支払総額が膨らむ一方で、やはり最終的に車は引き上げられてしまいます。

一括弁済できない場合、所有権留保されている車は引き上げられてしまいますが、車の売却額が債務に充当され、借金の負担を大幅に軽減することができます。

所有権留保がない場合

所有権留保がない場合、つまり、車検証の所有者欄が契約者本人になっている場合は、一括請求を受けて支払うことができなかった場合でも、即座に車を引き上げられることはありません

銀行でマイカーローンを組んで自動車販売店から車を購入した場合、銀行は単にお金を貸しただけなので、車の所有権を持つのは契約者本人になります。そのため、銀行はローンが滞ったからといって所有権という強い権利を行使してすぐに車を引き上げることはできません。

しかし、車を引き上げられないからといって督促を無視し続けていると、銀行は貸付金の返還を求めて裁判所へ訴訟提起する可能性があります。

②給料や財産の差押さえ

所有権留保されていた車が引き上げられてしまえば債務がなくなるわけではありません。車の売却額がローン残高に充当されても債務が残れば、当然に支払い義務も残ります。

車売却額充当後の残債務は「無担保債務」となり、ローン残債を支払えなければ所有権留保のない銀行系マイカーローンと同じ道筋をたどります。

債権者から裁判手続きを起こされる

銀行のマイカーローンの督促を無視し続けた場合、もしくは車売却代金充当後の残債務が支払えない場合には、ローン会社は債務の返済を求めて裁判所へ訴えを起こします。

裁判手続きには通常の訴訟提起以外により簡便な「支払督促」という手続きがあることをご存じでしょうか?手続きが簡単で費用負担も通常訴訟の半分ですむため、滞納者を多く抱えるローン会社に広く使われています。

裁判所から支払督促の通知が届いたら、必ず異議申し立て通知を出すようにしましょう。何もせずに放置していると、最短で4週間程度で財産を差し押さえる権利をローン会社に与えてしまいます。

財産に対する差し押さえ

訴訟や支払督促などの裁判手続きによって財産を差し押さえる権利を得た債権者から、給与や銀行口座などの差し押さえを受けます。

給与が差し押さえられた場合、勤務先に通知が行き、残債務が完済されるまで給与から一定額が天引きされ続けることになります。

③遅延損害金が膨らみ続ける

車の引き上げを引き延ばすのはおすすめできません。引き延ばした日数分だけ遅延損害金が加算され続け、総債務額が膨らみ続けてしまうからです。遅延損害金は、最初に引き落としができなかった日から発生し、滞納額に滞納日数分加算されていきます。

1ヶ月の支払金額を5万円、遅延損害金を20%と仮定した場合で見てみましょう。

1ヶ月滞納した場合
(5万円×20%×30日)÷365=822円・・・①
2ヶ月滞納した場合
(10万円×20%×30日)÷365日=1643円・・・②
①+②=2465円

となります。

以上のように、滞納した金額や滞納日数が増えれば増えるほど、総債務額は雪だるま式に膨らみます。その上、遅延損害金は通常の利息よりも高く設定されており、14.6%~20%程度が一般的でしょう。そのため、ローン会社からの催告通知に記載された金額が思ったよりずっと高額で驚く方も多いのではないでしょうか。

遅延損害金は法律で認められた、滞納に対するペナルティなのです。

④ブラックリストに載る

ローンを何度も滞納したり、一括請求を受けたりすると信用情報に事故記録が残ります。これがいわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。

銀行やローン会社などの金融機関は、それぞれ信用情報機関に加盟しており、新規の融資やクレジットカード発行の際には信用情報機関に照会をかけます。信用情報機関には、その顧客の滞納歴などが記録されており、金融機関はその情報を元にローンや融資の可否を判断します。

ローンの不払いが一定期間続くと、信用情報機関に「事故記録」として記載され、その情報が加盟している金融機関で共有されてしまいます。

では、いわゆる「ブラックリスト」に載ると、どのような不利益があるのでしょうか。

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新しいローンを組みにくくなる

信用情報機関に事故情報が残るため、どの金融機関からも新たな融資を受けたりローンを組んだりすることができにくくなります。

事故情報は加盟している金融機関全体で共有されるからです。ローンだけでなく、例えば家電やパソコンなど大きな買い物をする際に、クレジットカードでの分割払いを断わられることもあります。

また、見落としがちなのは携帯電話です。新しい機種に変更する際、機種代を月々の使用料に乗せて支払う方が多いのではないでしょうか。しかし信用情報機関に照会をかけて事故記録があると、機種代の分割払いを認められないこともあるでしょう。

このように、信用情報機関に事故情報が残ると、新たな借り入れやローンを組むことができなくなるだけでなく、思いもよらない場面で不便が生じることになります。

信用回復までに時間がかかる

信用情報機関に事故情報がいったん登録されると、自分でその情報を消すことはできず、信用情報機関が定めた期間が経過するのを待つしかありません。そして、信用情報の回復には5年から10年程度かかるといわれています。

つまり、その期間は新しいローンや分割払いを組みにくくなるということです。また、一定期間が経過し信用情報が回復したとしても、事故記録の原因となった金融機関では、再度ローンを組むことは難しいでしょう。

車のローンの一括請求を受けて支払えないときはどうしたらいい?

車のローンの一括請求を受けて何も対応しなければ、車を差し押さえられるだけでなく、その後の生活に大きな代償を払うこととなるでしょう。

一括請求を受けてしまった場合、どのように対応するべきか、具体的にご紹介します。

ローンを借り換える

今までの内容でローンを支払い続けていくことが難しい場合、他の金融機関でローンを組み直すという選択肢が考えられます。他の金融機関で新たにローンを組んで借り入れたお金で、現在のローン会社に一括で支払うという方法です。

返済期間を延長することができ、月々の返済額を無理のない金額まで減らすことができるというメリットがある一方、返済期間が長くなることでその分利息がかさみ、返済総額はかえって増えてしまうというデメリットもあります。

ローン返済期間の延長を交渉する

まずは支払いが苦しいことを現在のローン会社に伝え、返済期間の延長を交渉してみることも検討しましょう。

車のローンは原則返済期間延長禁止となっておりますが、例外的にローン会社が認めた特定の場合のみ、延長の交渉に応じるローン会社もあります。基本的に延長を認めるかどうかはローン会社の判断になりますので、今までの支払いを続けていくことが難しい相当な理由をしっかり伝えて申請するようにしましょう。

ただし、すでに延滞をしてしまっている場合は認められないことが一般的です。

車を売却して中古車等に乗り換える

今後も支払いを継続していくことが難しい場合は、車を手放すことを検討せざるをえません。所有権の名義が自分になっていれば、比較査定してより高く車を売却し、ローンの返済に充てることができるでしょう。

しかし生活や仕事上、どうしても車が必要な場合もあります。その場合は自分の資力で一括購入できる価格帯の中古車に乗り換えられないか検討しましょう。

ただし、車が所有権留保されている場合は勝手に売却することができないため、所有権を持っているローン会社に相談しなければなりません。

車のローン以外の借金を任意整理する

車のローン以外にも借金がある場合は、弁護士などに任意整理を依頼することをおすすめします。任意整理を依頼することで、債務全体の負担を減らすことができる可能性があるからです。

任意整理では整理する債権者を選ぶことができます。つまり、車のローンは今まで通り支払いを続け、そのほかの債務を整理することで全体の債務負担を軽減することができるのです。

弁護士などが介入すると、債権者からの直接請求を一時ストップさせることができます。その間に債権者に今までの取引記録を全て開示させ、法的に正しい利息で再計算することで、現在の債務額が確定します。

また、弁護士などが代理で債権者と交渉することで、それまでの遅延損害金や将来利息をカットした金額で和解できる可能性があり、返済負担額を軽減することもできるでしょう。

弁護士などに債務整理を依頼すると、ブラックリストに載ってしまうというデメリットもありますが、車のローンを残しつつそのほかの支払い負担を軽減できるというメリットがあります。

まとめ

車のローンの滞納による一括請求を受けてしまうと、指定された期日までに支払えなければローン会社に車を引き上げられてしまう可能性があります。

特に所有権留保がされている車の場合所有者はローン会社にありますので、対抗することは難しいでしょう。引き上げに抵抗し続けても、その分遅延損害金が加算されて債務が増加してしまう上、最終的に車は引き上げられてしまいます。

所有権留保がされていない車の場合は、訴訟や支払督促手続きを起こされて、車以外の財産を失ってしまうかもしれません。

車のローンが支払えないときは、ローンの借り換えや、ローン会社に期限を延長してもらえないか交渉するという選択肢もありますが、すでに一括請求を受けている場合には難しいでしょう。また、所有権留保がついていなければ、車を売却して一括払いできる中古車に乗り換えるという選択肢もあります。

しかし、自分ではどうしてよいか分からないのであれば、弁護士などに債務整理を依頼することをおすすめします。法律の専門家が介入することで、今の状況に最適な解決方法を取ることができるでしょう。

どの選択肢を選ぶにしても、なるべく早く行動することが大切です。車の引き上げや財産の差押えなどローン会社側に財産処分の決定権を与えてしまう前に、自分に合ったベストな方法を選択するようにしましょう。

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よくある質問

Q. 車のローンを返済しないと、どうなりますか?
A.

車をローンで買うということは、全ての支払いがまだ済んでいないということです。つまり、車はあなたのものではなく、自動車販売会社(ローン会社)のものということです。よって、ローンの返済が滞ると車は没収されてしまいます。

Q. 車のローンを返済しなかったら、クレジットカードも使えなくなりますか?
A.

その可能性は十分あります。ローンを一定期間滞納すると信用情報機関に名前が載るのでクレジットカードが利用できなくなります。一時的な滞納ならすぐにブラックリストに載りませんが、長期的に滞納するとブラックリストに載り、クレカが使えなくなります。

Q. 車のローンに債務整理は使えますか?
A.

使えません。車のローンの場合、返済ができないと車を没収(引き上げ)されておしまいです。他に借金がある場合は、債務整理可能です。複数借金がある場合は、弁護士にご相談ください。