総量規制は過度な貸付から消費者を守るための制度です。そのため、守る必要がない人や、守ること以上に緊急性が高い場合は、総量規制を超えた貸付が可能になります。つまり、あなたの状況次第では、総量規制の抜け道があるということになるでしょう。
では、どうすれば年収の1/3を超えた借り入れができるのでしょうか?
今回は、総量規制の対象から外れる貸付や抜け道についてお伝えします。また、総量規制以上の貸付が危険な理由や、お金を借りられなかった場合の対処法についてもお伝えしています。ぜひ参考にしてください。
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もくじ
総量規制の抜け道はある?除外と例外貸付について
総量規制とは、過度な貸付から消費者を守るための規制です。よって、この趣旨にそぐわない貸付については、総量規制の対象外(抜け道)となり得るでしょう。
実際、借金と呼ばれるすべてのものが総量規制の対象になるわけではありません。あらゆる借金の中には、総量規制の除外あるいは例外として分類されているものがあります。これらはすべて、総量規制の抜け道として新たな借り入れが可能でしょう。
総量規制の抜け道となり得る借金の種類は下記の通り
- 目的別ローン
- 高額療養費の貸付
- 不動産や有価証券等を担保とした貸付
- 顧客に有利となる貸付
- 緊急性が認められる医療費を支払うための貸付
- 社会通念上必要と認められる費用
- 配偶者との合計年収が1/3以下であること
- 個人事業主に対する貸付
- クレジットカードのショッピング枠
- 銀行からの借り入れ
まずは総量規制から外れている借金について詳しくお伝えします。
①目的別ローン
何かしらの目的があってお金を借りる場合には、総量規制の対象外になります。たとえば、自動車ローンや住宅ローンなどで、いわゆる目的別ローンが該当します。よって、あなたが住宅や自動車など大きな買い物をするために購入する資金は、総量規制の抜け道になるでしょう。
ただ、目的別ローンはその商品を購入するために貸し付けられたお金です。実際に借りたお金をその他の使途に利用してしまうと、規約違反として一括請求されたり、信用を失ったりするため注意してください。
また、目的別ローンは即金性がないため、現金が欲しいという方にとってはあまり有効ではない抜け道です。現金を得るために、目的別ローンで購入した商品を売却してお金を得てしまうと、規約違反になる恐れもあるので注意してください。
②高額療養費の貸付
高額療養費に対する貸付も総量規制の対象外になります。
通常、高額療養費制度を利用された場合は、自己負担額を超えた分があとから返還されます。しかし、返還されるまでの間に一定以上の期間(審査期間)が発生してしまうため、その期間分の療養費工面に悩まれている方もいるでしょう。
そのような方は、高額医療費貸付制度の利用を検討してください。この制度は、高額療養費見込額の8割を無利子で貸し付ける制度です。当然、総量規制の抜け道となるので、お困りの方は利用を検討してください。
③不動産や有価証券を担保とした貸付
不動産や有価証券等を担保としてお金を借りる場合も、総量規制の対象外になります。なぜなら、お金を返せなくなっても担保で回収できるためです。担保を入れているにもかかわらず、わざわざ消費者を守る必要はありません。
なお、不動産を担保としてお金を借りられる方法として、「不動産担保ローン」という商品があります。この商品は、住宅ローンが残っている不動産でも担保にできる場合があります(第二順位の抵当権設定)。
現在、マイホームを持たれている方は、不動産担保ローンを提供している銀行等へ相談をされてみてはどうでしょうか。
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売却予定不動産で返済可能な借り入れも除外貸付になる
売却予定の不動産で売却完了後にお金を返済できる場合も、総量規制の対象外になります。たとえば、契約者が死亡したときに住宅を売却して、借金を清算する「リバースモーゲージ」などが該当します。
リバースモーゲージの場合は、利用条件が55歳以上(銀行による)等と定められていることが多く、利用できない方も多いです。もしも利用条件を満たせている場合は、利用を検討されてみてはどうでしょうか。
④顧客に有利となる借り換え
顧客(あなた)が一方的に有利となる貸付については、総量規制の対象外になります。たとえば、おまとめローンや金利を引き下げるための借り換え等が該当します。
おまとめローンや借り換えをすることによって、金利気引き下げられ、総返済金額や毎月の返済負担を軽減することができるでしょう。このように、顧客(債務者)側が一方的に有利となる貸付は、年収の1/3を超えても借りられます。
ただし、おまとめローンや借り換えをしたあとは、原則返済専用になってしまうため、今すぐに現金を入手したいという方にはおすすめできません。あくまでも、総量規制の対象から外れる抜け道のひとつとして、覚えておいてください。
⑤緊急性が認められる医療費を支払うための貸付
顧客(債務者)本人やその家族の医療費を支払うための貸付は、総量規制の対象から外れます。医療費等は人の生命にも関わることであり、緊急性を要するため「すぐにでもお金が必要」ということになれば貸し付けても問題はありません。
ただし、緊急性が認められない場合は総量規制の対象になる恐れがあります。たとえば、歯列矯正のためのお金は、緊急性が認められにくいです。一方で、病気で今すぐにでも手術をしなければ生命に関わるような状態のときは、総量規制の対象外になるでしょう。
⑥社会通念上、緊急性やその資金が必要と認められる費用
社会通念上に照らしてその緊急性やその資金の必要性が認められる場合には、貸付が認められる場合があります。たとえば、今すぐにお金を用意できなければ生命に関わるような状態のときや、生活費の一部貸付などが該当します。
ただし、この貸付をするときは10万円以下の貸付、3か月以内の返済などの要件をつけなければいけません。
⑦配偶者との合計年収が1/3以下であること
配偶者の同意がある場合には、配偶者とあなたの年収を合計した1/3まで借り入れが可能です。たとえば、あなたの税込年収が300万円、配偶者の年収が300万円あったとしましょう。
あなた1人だと100万円までしか借りられませんが、配偶者と2人なら200万円の借り入れが可能です。配偶者の収入証明が必要であったり、同意が必要となりますが、現金が必要な方は利用を検討されてみてはどうでしょうか。
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⑧個人事業主に対する貸付
個人事業主に対する事業融資等を総量規制の対象外になります。ただし、事業計画書や収支計画書、資金計画書等を鑑みて返済能力を超えない範囲であることが条件です。
もしもあなたが個人事業主として働かれているのであれば、総量規制を超えてお金を借りられる可能性はあるでしょう。
事業としての実態がない場合はお金を借りられないだけではなく、失業時に給付金を受けられないなどのトラブルが発生します。
⑨クレジットカードのショッピング枠
クレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象外になります。よって、あなたの利用状況次第では、年収の1/3を超えた金額の利用可能金額が付与されることもあるでしょう。
昨今は、クレジットカードさえあればおおよそのものを購入したり支払ったりできるようになりました。そのため、わざわざ現金を用意する必要はないという方は、ショッピング枠の増枠を狙いましょう。
ただし、ショッピング枠の現金化は利用規約違反になる恐れがあり、最悪の場合には利用停止や強制解約になり得るでしょう。また、クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象になるので、その点は混同しないよう注意してください。
⑩銀行等からの借り入れ(カードローン含む)
銀行や信用金庫等からの借り入れ(カードローン含む)は、すべて総量規制の対象外になります。銀行や信用金庫等はそもそも貸金業者ではないためです。
総量規制という規制は、貸金業社に対してのみ適用されているルールであるため、銀行法の範囲で営業している銀行等には関係ありません。よって、年収の1/3を超えるお金を借りられる可能性があるのです。
しかし、実際は銀行等で自主規制を行っており、実務上年収の1/3を超えた貸付を受けられる可能性は低いです。一応、銀行等からの借り入れは総量規制の抜け道になり得ますが、借りられる可能性は低いと思っておいてください。
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総量規制の抜け道には危険が多い!年収の1/3以上借りるリスクを解説
もしもあなたが総量規制の抜け道を発見し、実際に年収の1/3以上を借り入れしたとしましょう。きっとそのあとには厳しい現実が待ち受けているでしょう。
次に、総量規制の抜け道が危険である理由や、そのリスクについて下記の通りお伝えします。
- 返済不能状態に陥る
- 総量規制以上の借り入れで利用停止になる
- 自転車操業から抜け出せずに完済を目指せない
借金の返済が不能になる
総量規制以上の借り入れをしてしまうということは、一般的にみて返済能力を超えて借り入れをしていることになります。つまり、いずれは返済不能に陥るということです。
実際、総量規制全面的に施工された2010年以前と以降を比較すれば、破産申立件数も大幅に減少しています。
総量規制は、消費者を過度な借り入れや貸付から守るためのものです。どうにかして抜け道を見つけ出し、無理にお金を借りることになれば、かならず返済不能になり破産する未来が訪れるでしょう。
あなたが破産をしないまでも、借金を返済できない状態が続いた場合には、債権者側から厳しい取り立てを受けたり強制執行(財産や給料の差し押さえ)を受けたりするかもしれません。総量規制がある意味を理解すれば、きっと危険な借り入れをしようとは思わないはずです。
総量規制以上の借り入れは利用停止になる
何らかの事情で総量規制を超えてしまう場合があるかもしれません。たとえば、年収300万円の場合は100万円の借り入れが可能ですが、年収が200万円に下がってしまった場合などです。このようなケースでは、総量規制を超えた部分の枠が減額されます。
つまり、もともと100万円まであった利用可能枠は66万円まで減額されてしまう恐れがあります。このような状態になると、借金ありきで生活をされていた方はとても厳しい状態に陥るでしょう。
また、どうにか総量規制の抜け道を探し出して年収の1/3を超える借り入れをしたとしても、かならずバレてしまいます。その結果、利用停止や返済専用になってしまうでしょう。返済能力がないにもかかわらず、返済専用にされてしまえば、きっと返済不能状態になってしまうでしょう。
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自転車操業から抜け出せずに完済を目指せない
総量規制を超えているということは、返済能力を超えた借り入れをしていることになります。そのため、かろうじて返済をできていたとしても、ギリギリの状態が続いていることでしょう。
たとえば、「ほとんど利息しか返済ができていない」とか「返したお金をまた借りるを繰り返している」など。このような状態が続いていると、いつまで経っても完済を目指すことができません。
完済ができなければ、ずっと債権者に対して利息を支払い続けることになります。たとえば、200万円の借金を利息程度しか返済できず、完済までに30年かかった場合は、総支払い金額で9,103,680 円です(年率15%で計算)。
毎月の返済金額こそ26,000円程度と低めですが、総支払い金額は900万円超、利息のみで700万円超支払うことになります。債権者としては、利息だけでも毎月返済してくれれば、非常にありがたいです。
しかし、あなたが自分の支払い能力を超えて借金を抱えた場合には、とても大きな損失が発生することを理解してください。「何とか返済できているから大丈夫」ということではありません。総量規制がある意味や、総支払い金額を考慮した返済計画を立てるべきでしょう。
総量規制オーバーの借り入れが難しいときの対処法
総量規制までお金を借りていて、抜け道を探すことが困難な方、今すぐお金が必要な方は下記の方法を検討されてみてはどうでしょうか。
- 不用品の売却。ブランド品を担保に借り入れ
- 生命保険の契約者貸付制度の利用を検討
- 債務整理で今抱えている借金を減額
最後に、総量規制以上にお金を借りたい方が検討すべき対処法についてお伝えします。
不用品の売却・ブランド品を担保に借り入れ
今あなたが持っている不用品やブランド品などを売却すれば、お金を借りられなくても現金を手に入れることができます。もしも、どうしても手放したくないものなのであれば、質入れを検討しても良いでしょう。
一般的にみて、質入れと買取(売却してお金を手に入れる方法)を比較すると、買取のほうが高い金額を手に入れられるでしょう。一方で、買取を選択してしまった場合は、そのものを手放さなければいけません。
逆に、質入れであればそのものを担保にお金を借りるだけなので、お金を返せばものは返ってきます。一方で、借りられるお金は買取と比較して少なめに設定されるケースが多いです。
また、質入れの場合はお金を返済できなかった場合、質流れと言ってそのものは没収されてしまいます。
つまり、最終的にそのものを手放す覚悟があるならば、あらかじめ買取で売却をしてしまった方がお得です。一方、かならず返済できる見込みがあって、大事なものを担保にするならば、質入れを検討してお金を借りれば良いでしょう。
なお、質入れによってお金を借りる場合も総量規制の抜け道になります。安心してお借り入れをしてください。
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生命保険の契約者貸付制度の利用を検討
いわゆる貯蓄方の生命保険に加入されている方は、契約者貸付制度を利用できる可能性があります。この制度は、生命保険契約の解約返戻金の一部を貸し付けてくれる制度です。
あなたが実際に積み立てているお金から借りられるため、当然総量規制の対象からは外れます。また、万が一返済をできなくなっても、保険契約の解約や保険金額の減額、保険金支払い時に清算等で対応可能です。
条件等は各生命保険会社によっても異なります。概ね解約返戻金の70%〜90%程度は借りられるので、まずはかく担当者にご相談してください。
債務整理をすれば今ある借金を減額・免責できる
債務整理をすれば、今抱え得ている借金の返済負担を軽減できるでしょう。現金の入手はできませんが、支払いを免除されることによって、毎月の支払額が減って生活資金に余裕が出てくることでしょう。
そして、任意整理には下記3種類あります。
- 任意整理
- 債権者と直接交渉をして借金の減額や返済方法の変更をする債務整理手続きです。債権者との和解が成立した場合には、原則利息をカットして元金のみを3年(長くても5年程度)で返済できるようになります。
- 個人再生
- 裁判所を介して再生計画案を申請し、認められれば借金を大幅に圧縮できる債務整理手続きです。最大で借金を100万円までもしくは1/10まで減額できるのが特徴で、マイホームを残しておけるのも、個人再生のメリットです。
- 自己破産
- 自己破産はあなたが抱えているすべての借金を免責(免除すること)にする債務整理手続きです。一切の借金が残らないため、借金のない生活を取り戻すことができるようになるでしょう。
総量規制以上の借り入れは非常にリスクが伴うため、逆に今ある借金を減額してみるというのも有効な手段となり得るでしょう。
また、債務整理を弁護士や司法書士などの専門家に依頼した時点で、一旦(和解成立まで)借金の返済義務が停止します。つまり、「借金を返済したら生活費が足りなくなる…」など、緊急性が高い場合であっても、相談をすれば生活費を工面できる可能性があるのです。
生活費が不足するからといって、お金を借りる方向にばかり考えるのではなく、支払いを抑えるという方向で考えてみても良いのではないでしょうか。
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まとめ
今回は、総量規制の抜け道についてお伝えしました。
総量規制は、過度な貸付から消費者を守るための規制です。そのため、この趣旨にそぐわない貸付は総量規制の対象外になるとのことでした。たとえば、高額療養費や緊急性が認められる生活費、おまとめローンなどが該当します。
あなたの状況次第では、総量規制の抜け道としてお金を借りられる方法があるかもしれません。今回お伝えした内容の中に、利用できる可能性がある貸付制度があったならば、利用を検討しても良いでしょう。
ただ、総量規制以上の借り入れはリスクが伴います。いずれはかならず返済不能状態に陥り、きっと破産や強制執行(財産や給料の差し押さえ)に至るでしょう。
そうならないためにも、可能であれば総量規制の抜け道以外でお金を工面することが大切です。ブランド品の売却や生命保険の契約者貸付制度は有効ですし、きっとあなたの生活費の足しになるでしょう。
また、少し発想を変えて「支出を減らす」という方向に考えても良いです。毎月の借金額を減らしたり、目先の借金返済負担を停止したりするために、債務整理を検討するのも有効でしょう。
総量規制に抜け道はある?年収の1/3以上の借り入れをしたいときはどうすれば良い?
- Q. 総量規制に抜け道はありますか?
-
A.
総量規制には例外や除外される借金があります。たとえば自動車ローンや住宅ローンなどの目的別ローン。他にも、貸金業者以外からの借り入れ(銀行のカードローンなど)も総量規制の対象外です。
- Q. 総量規制の抜け道を見つけてお金を借りることは可能ですか?
-
A.
総量規制の対象外であれば、お金を借りることはできます。ただ、総量規制の対象外で自由に使える現金を借りられる可能性は極めて低いです。ほとんどの場合は使途が定められていたり、使途が限定されていたりします。
- Q. 総量規制以上の借金は危険ですか?
-
A.
総量規制は消費者を過度な借り入れから守るための法律です。そのため、総量規制を超える借り入れは一般的にみて、非常に危険であると言えるでしょう。

