行政書士トーラス総合法務事務所トーラス・フィナンシャルコンサルティング株式会社

暗号資産の取扱い審査の迅速化

2022/03/18

令和4年3月16日付のブルームバーグの報道では、日本暗号資産取引業協会が、来週にも交換業者が取り扱える仮想通貨の審査方法の簡略化を発表するとしています。

同報道では、暗号資産交換業者が新規の暗号資産の取扱いを日本暗号資産取引業協会に申請しても、承認までに半年以上かかっているところ、簡略化により審査期間が5分の1程度に短縮できそうだとの見通し示されたとしています。

諸外国に比べて暗号資産交換業者の取扱い暗号資産数が増えず、審査の遅さは我が国の業界の成長の妨げになっていると指摘されていました。すでに、金融庁がこの問題に対して問題意識を持っていることは一部業界メディアで報じられており、今回の報道はこれに対応した業界団体の取り組みの一環と見られます。

もっとも、近年の暗号資産関連ビジネスの裾野は以前より広がっており、ブロックチェーン技術を利用しつつも、NFT、セキュリティートークン等の法律上の「暗号資産」に該当しない周辺ビジネスこそが、新規参入意欲の面ではむしろ強まっているような印象を受けます。

新規暗号資産の審査迅速化が暗号資産業界の活性化に資することは明らかです。しかしながら、数年前と異なり、暗号資産の枠組み内で、制度の使い勝手を良くするだけでは業界の振興のために十分とは言えません。

変化の速い業界ゆえに、横断的で体系的な規制を予め構築することは難しい面があります。それゆえ、新たな業態にも目配りしながら、引き続き今回のような既存の制度の改良を不断に積み上げていく政策努力が必要になりそうです。

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