行政書士トーラス総合法務事務所トーラス・フィナンシャルコンサルティング株式会社

受益証券発行信託型セキュリティトークン

2021/07/16

SBI証券は、7月9日付でSTOビジネスにおける業種横断での協業と資産裏付型セキュリティトークンの本邦初の公募についてを公表しています。

同リリースによると、国内において資産裏付型STを発行する際、「合同会社と匿名組合を組み合わせる方法(以下「GK-TK」)」は手続きを完全にデジタル完結させることが難しく、「特定目的会社制度を利用する方法」は運用の利便性に難があることから、いずれもSTOに向かない性質があったところ、三菱UFJ信託銀行が「受益証券発行信託」と「Progmat」を組み合わせることによりこれら課題をクリアした仕組みを構築できたとしています。

このリリース文のみでは具体的な法的スキームの詳細が必ずしも明らかではありません。しかし、三井住友信託銀行もすでに受益証券発行信託でのSTOを試験的に実施しており、徐々に手法として確立しつつあります。

個人的には金融商品取引法の改正案が出てきたころは、STO(電子記録移転有価証券表示権利等)は集団投資スキーム型が主流になると思っていたのですが、半ば予想が外れました。

ちなみに、現代の「組合型」ファンドは意外と歴史が浅いヴィークルです。匿名組合形態は、戦後直後から公衆からの資金集めに広く利用されていましたが、共同事業型の民法組合やLPSの登場は、歴史をはるかに下ってからの登場です。LPS法の前身である中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律は、平成10年の成立。LLP法は平成17年の成立です。

また、民法上の任意組合を投資ビークルに使うようになったのは、昭和60年近くになってからだという話を聞いたことがあります。

倒産隔離のGKTKも、時代ごとにスキームのマイナーチェンジが行われています。もともとは、GKTKの親法人は、ケイマン籍の慈善信託でした。しかし、平成14年の中間法人法施行後は中間法人に代わり、現代では一般社団法人を親法人とするようになりました。最適のスキームは、時代と共に変遷しています。

次世代のファンドは、現代のような「組合型」主流ではなくなっているのかもしれません。

お気軽にお問い合わせください

お電話無料相談窓口 03-6434-7184 受付時間 : 9:00 -17:00  営業曜日 : 月〜金(除祝日)
メール無料相談窓口メールでのご相談はこちらをクリック